社長のための建設業会計講座1

 

利益が見える戦略MQ会計(かんき出版)

の著者が伝える「社長のための建設業会計講座1」


いまの建設業会計では、この先の手が打てない!

翌期の計画を立てたいけど「未成工事支出金」が邪魔をする

もっとわかりやすい会計はないのですか?

「工事ごとの原価をきちんと把握しなさい」と税理士から指導を受けたが

  経営の実態を把握する方法として理にかなっているのでしょうか? 

 

そんな建設業会計に疑問をお持ちの社長さん方に、ぜひ読んでいただきたいサイトです。


建設業会計を考える

工事1億円の現場があるとします。

ちょっとしたビルの建設、受注生産です。

 

鉄骨(骨組み)は自社で行なうとしましょう。

現場での施工はこの会社の社員が行ないます。

 

請負工事なので、内装屋さん、設備屋さん、電気工事屋さん、

などの専門分野はすべて外注です。 

 

これまでの常識では、この工事の原価は 

 

鉄骨、資材などの材料費、

現場監督をはじめ社員である現場施工員の労務費、給料

各専門職への外注費

現場でかかる諸経費 

 

です。 

 

工事の完成をまえに、決算をむかえました。  

ではその間に支払った材料代や外注費などは

どのように処理されるのでしょうか。 

 

製造業では

材料を買ったら「材料仕入」

外注費を支払ったときは「外注費」

電気料を支払えば「電力費」です。

 

ところが建設業では、

これらはすべて「未成工事支出金」という

資産科目に計上されてしまいます。

 

工事が完成し、売上に計上されるまでは

1円も損益計算書の工事原価には載りません。

したがって、棚卸という概念がありません。

完成するまでその現場に掛かった費用(原価)は

すべて「未成工事支出金」という仕掛品在庫になるのです。

 

製造業で同じことをすると、

材料を買ったら「仕掛品勘定」

外注費を支払ったときは「仕掛品勘定」

電気料を支払えば「仕掛品勘定」

もちろん現場の労務費も「仕掛品勘定」です。 

 

製品が完成するたびに

「完成分に相当する材料費、労務費、経費、外注費」を

その都度、製造原価の科目に振り替えていくのです。 

 

製造業では、もちろんこんなことはやりません。

しかし建設業では【あたりまえ】に行われているのです。

これが建設業会計のしくみ、未成工事支出金です。

 

本当に儲かった工事はどれですか?

 

実行予算どおりに行った現場ですか?

利益率がいい現場ですか?

予定より労務費が掛からなかった現場ですか?

 

工事が完成するまでは大赤字、

完成したとたん、一気に利益が出ます。

これが建設業会計、未成工事支出金勘定で処理しているうちは、

先々が読めないのです。

 

>続きは、社長のための建設業会計講座2・建設業の決算書(その1)