【第2話・あるレストランでの出来事】
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■□ 戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□ 社長のための会計学 【 マトリックス通信 】
■■ Vol.293 2012/05/10
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■教育研修や人材育成など、
各企業で行われている社員研修はさまざまです。
○ しつけ・マナー
○ 資格、免許の取得
○ 実務のための知識や技術などの習得
○ 実務遂行のためのスキルアップ訓練
○ 新しい知識や技術の講習
しかしその結果、
○ 人の言うことを聞かない
○ 言われたことができない
○ 言われたことしかしない
○ 考えて行動しない
○ 行動に出られない
○ 創意工夫ができない
○ あたり前のことができない
○ 自覚が足りない
○ 結果を出せない
ときどき考えます。
企業で行う教育研修は
本当に組織、社員にとって役に立っているのでしょうか?
何をもって教育研修の効果と考えるのでしょうか?
同じ内容、同じ話でも、それぞれの立場、あるいは人によって
受取り方や感じ方が【まったく】違います。
最後は、その人【本人】だと思います。
■さて、今回は、
全国展開しているレストランの話。
あなたが社長だったら
あなたが社員だったら
この話を聞いてどう思うでしょうか。
場所は東京、
この日は日曜日です。
閉店まであと3時間ほど、
どこかの年配の団体が店内の一画を占領しています。
落ち着いて仕事をしたかったので、
★ここの席、いいですか?
店が混んでる時間帯にだけ開放する奥のテーブルにつきました。
☆よろしいですよ
ご注文が決まりましたらお呼びください
■しばらくして、注文をとりにやってきた彼女は
三十代なかばくらいです。
☆ご注文はお決まりでしょうか
★ピザとサラダと生ビールをください
それと、割り箸とタバスコもお願いします
店内には彼女一人です。
★いまの時間帯は一段落でしょう
☆そうですね
★ここのメニュー安くていいですね
コンビニで買うのと同じくらい
ワインも安くてうまいし、、、
■ところが彼女は一瞬顔を曇らせ、
その後、驚くような答えが返ってきたのです。
☆わたし、ここを辞めるんです!
そして、
早口でしゃべり始めました。
☆時給の割りには作業はきついし、
それに、ここのやり方にはついていけません
★そうなんですか?
でもここは名前も知れ渡った全国チェーンだし
待遇はいいでしょう
そんなふうには見えませんけど
☆上の人たちはみんな威張ってますし、
朝礼なんかすごいんです
一方的だし、
軍隊のように命令されて、
こういう雰囲気、わたし嫌なんです
と言って去っていきました。
■初対面の私に、
それもお客に対して
このようなことを言ってくるということは
○ 直前によっぽど嫌なことがあったのか
○ よっぽどひどい上司だったのか
○ 自分がわがままで耐えられないだけなのか、、、
本人にしてみれば、
会社の売上が落ちようと、
店の評判が悪くなろうと、
潰れようと
おそらく関係ないのでしょう。
正社員であれパートやアルバイトであれ、
このような人は現実に【いる】ということです。
いくら教育を受けようが訓練しようが
変わらない人もいるのかもしれません。
フツーに考えたら
とても許されることではありません。
しかし、経営者側から見れば「フツー」であっても
彼女らから見ればこれが現実であり
とても重要な【問題】なのです。
おそらく彼女は、辞めた後もしばらくは
この店の悪口を言いふらすに違いありません。
「知らぬは社長ばかりなり」
なのかもしれませんね。
■ところでいま、このレストランで原稿を書いています。
「企業は社長によって決まる!」と言われます。
働いている社員の意識が高いか低いかも、社長次第です。
社長は方向を示す人です。
舵取りをする人です。
ある本に次のようなことが書いてありました。
○ 方向性を示せない会社の社員は哀れだ
○ 志(こころざし)のない社長についていく社員は惨めだ
○ 理念や信念のない社長の下で働く社員は
どこに着くかわからない船に乗っているようなものだ
しかし、私はそうは思いません。
社長が方向性を示さない会社で働いている社員は
けっして哀れではありません。
志(こころざし)のない社長についていく社員は
けっして惨めではありません。
本当に意識の高い社員は
このような社長のもとを去っていくはずです。
そして、そういう社長のもとには
自然とそれなりの社員が集まってくるのです。
○ わけのわからない理念や志(こころざし)などどうでもいい
○ そんなものない方が楽だ
○ 何も考えずにただ作業さえしてればいい
と思う社員も、たしかにいるのですから。
いずれにしても、
すべては社長の責任100%です。
★ 赤字なのは社長の責任、黒字が出たら社員のおかげ
知り合いだったY氏が、生前言っていた言葉です。
私もそう思います。
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●社員の多くは自分のために生きているのであって、
会社の理念やビジョンのために、
自分や家族の人生を犠牲になんかしてくれません。
社員側が求めるビジョンというものは、
「この会社にいたら、この先、いいことがあるに違いない」
という未来予想なのです。
☆『儲ける社長の「頭の中」』かんき出版 川合善大・著
からの一節です。
あなたが社長だったら
あなたが社員だったら
今回のメルマガを読んでどう思ったでしょうか。
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