Vol.324 【MQ会計を活用する上での基本のはなし】

 【MQ会計を活用する上での基本のはなし】
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■□  戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□   社長のための会計学 【 マトリックス通信 】
■■   Vol.324 2013/08/27
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 》 利益はいくらでも操作できますが、

   現預金の残高は、現実そのままの姿です

 

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 ●製品の個別採算性を求めたいと思います。
  MQ会計表(四畳半)を作成する場合に
  固定費Fは製品の販売数量などで按分するのでしょうか。
  按分してしまうと固定費にならないと思いますがいかがでしょうか。


 「実践!戦略MQ会計【業種別編】」のリニューアル版に
 お申し込みをいただいたMTさんからのお問合せです。

 このような質問は、過去に何度かいただいていますので、
 今回、MTさんのご了解を得て、メルマガで紹介したいと思います。


 ●早速、ご回答いただきましてありがとうございます。
  「利益が見える戦略MQ会計(かんき出版)」を拝見し、
  全体のMQ会計表を見る場合、単品による事例解説が多かったので
  小生のような製造業の総務部では、製品ごとに固定費Fを求めて
  MQやGを求めなければならないと解釈してしまいました。

 

  その際に、製品一個一個に全体の固定費Fをどうやって配分するのか
  わかりませんでしたので、質問させていただきました。

 

  要は、製品それぞれのPQ、VQ、MQを求めて、
  全製品のそれらを合計して、会社全体の固定費FをMQ会計表に
  記入して利益Gを求めると解釈してよろしいでしょうか。


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■製造業の損益計算書からMQ会計表を作成する場合、
 製造にかかる人件費や経費は製品ごとに配賦を行いません。
 MQ会計では直接原価を使って利益を計算します。

 

 会計の世界では、直接原価と全部原価が対比議論されがちですが、
 正しいか正しくないか、良いか悪いかということではなく、

 【実用】として考えた場合に、

 製造にかかる労務費や製造経費が直接費であっても間接費であっても、
 製品の原価に含めないことが、

 

   「先々の経営を考える上でわかりやすく、意思決定できる」

 

 と考えます。

 

 したがって、「固定費を配賦した製品ごとの個別採算性」を、
 経営の意思決定には使いません。

 

 

■一般に、伝統的な原価計算を経営に取り入れるには専門知識を必要とし、
 導入するまでに時間がかかります。
 場合によっては専門家を介さないと活用できません。

 ところが、MQ会計では会計の専門的な知識がかえって邪魔になります。

 

 MQ会計は社長自身がマスターし、
 社長自身が経営に活用することが目的です。
 会計の専門家に相談することもなく、意思決定が容易に行えます。
 これは現場で働く幹部や社員にとっても同様です。

 

 MQ会計は学ぶことが目的ではありません。
 現場で使ってはじめて価値があります。

 

   MQ会計はカンタン! 

 

 これが最大の魅力です。

 

 製造業における製品の原価計算の考え方とは基本的に異なります。
 MQ会計では製品ごとに計算するのは「M」および「MQ」までです。
 そして「これらMQの合計が全体の固定費Fを超えるかどうか」です。

 

 

■損益計算書ではしばしば、

 

 「変動費になるのか固定費になるのか」

 

 が問題になります。
 MQ会計の本質を知らない人たちの多くは、

 

  ◎ 損益計算書 = MQ会計表
  ◎ MQ会計表は損益計算書をわかりやすくしたもの

 

 だと思っています。

 

  「MQって限界利益のことですよね」
  「MQっ? PQからVQを差し引いただけでしょ!」

 

 MQ会計を損益計算書の延長で考えると会計の領域から抜け出せず、
 肝心の利益を増やすための発想や行動につながりません。
 MQ会計表(四畳半の表)だけで考えているうちは、
 結果的に損益計算書から一歩も抜け出せないのです。

 

 

■MQ会計では、

 

  ○売上高PQ
  ○変動費VQ
  ○付加価値・限界利益MQ
  ○固定費F
  ○利益G

 

 という名称を使用しています。

 しかし、けっして「VQ=変動費、MQ=限界利益」ではありません。

 

 MQ会計では、【あえてわかりやすいように】、
 管理会計で使用している用語に置き換えています。

 MQ会計における

 

 「VQは変動費でMQは粗利総額や限界利益」

 

 という解説は、

 

 「会計を学んでいる人たちにあえて説明(翻訳)すると」

 

 という前提条件だと思ってください。

 

  ※MQ会計を現場で活用する場合
   「VQはVQ、MQはMQ」なのであって
   【あえて翻訳する必要はない】と思っています。


 今回MTさんの質問をメルマガで紹介しようと思ったのは、
 製品ごとの個別採算性についてではありません。
 私が おっ! と思った部分、それは次の文章でした。

 

 「要は、製品それぞれのPQ、VQ、MQを求めて、
  全製品のそれらを合計して、会社全体の固定費FをMQ会計表に
  記入して利益Gを求めると解釈してよろしいでしょうか。」

 

 損益計算書の役割は【外部報告】です。
 会計処理においても、売上高や売上原価など、
 本来経営に一番重要な部分は、数行しか表示されません。

 損益計算書のなかで【この先の経営】に使える情報、
 それは「固定費F」の部分です。


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■決算書(損益計算書)からMQ会計表を作成してみる!

 

 制度会計では見えてこない 収益構造の本質を分析し、
 それに基づいて利益計画を作成することが目的です。

 管理会計における限界利益は次のように計算します。

 

    限界利益 = 売上高 - 変動費

 

 MQ会計では、

 

 「製品ひとつひとつから生み出される粗利単価Mの積み重ね」

 

 が重要な情報です。売上高から変動費を差し引いたものではありません。

 

 損益計算書から求めるVQおよびMQの合計と、
 実際の製品のVQおよびMQの合計とは異なります。

 

 MQに関する情報は製品にしかありません。
 MQは製品そのものです。

 ところが、すべての製品のMQ(M×Q)を把握することは、
 そのしくみを作らないかぎり 困難です。

 

 そこで、簡単にMQ会計表を作成し経営に活用するために
 あえて損益計算書を使います。

 結果的に損益計算書の構造を理解し、経営の意思決定につながります。
 MQ会計を未来の利益計画に活用するためです。

 

 

■利益計画は、この先の事業計画の基本的枠組みそのもの、出発点です。
 そしてMQ会計がもっとも力を発揮するのがこの「利益計画」です。

 

   固定費Fは来年いくらかかるのか 

 

 かなり高い精度でつかむことができます。
 したがって、翌期に稼がなければならない【必要MQ】がわかります。

 

   必要MQ = 翌期の固定費F + 目標利益G

 

 前期のm率(粗利益率)を使えば【必要売上高PQ】も計算できます。

 わからないのは、

 この必要MQや必要PQを【どうやって稼ぎ出すか】です。

 

 利益計画とは、「こうあらねばならない」という意味であって、
 「こうして利益をあげる」ということではありません。

 

 〇 利益計画で決めた必要MQをどのようにして実現していくのか
 〇 そのために必要なPQをどのようにして実現していくのか

 

 これが次の段階であり、

 

 「こうして利益をあげる」

 

 という具体的な計画が【販売計画(MQ計画)】です。

 そしてこの販売計画(MQ計画)こそが
 経営計画の【もっとも重要な部分】となるのです。

 

 

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