Vol.339【続)ある建設業の社長の悩み・税理士からのアドバイスは…】

 

 【続)ある建設業の社長の悩み・税理士からのアドバイスは…】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■□  戦略MQ会計・DC・マトリックス会計

■□   社長のための会計学 【 マトリックス通信 】

■■   Vol.339 2014/02/13

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 》 ほんとうの原価など、誰にもわからない

 

  

前回の続きです。

 

 Aさんからの質問を整理すると

 

 ・建設業界は、この先の経営が不透明

 ・仕事が取れれば利益は出るし取れなければ利益は出ない(まさにバクチ)

 ・幹部社員がきちんと数字に向き合わない

 

 など、この先に障害が立ちはだかっている。

 このような状況で税理士から次のような指導を受けた。

 

  (1) 付加価値を基準とした経営をする

  (2) 各工事の原価管理の徹底

  (3) 社内労務費、社内機械使用料等の基準額を決め実行予算を組む

 

 今週は(2)と(3)について考えてみます。

 

  

 Aさんのメールには、

 

 「各工事の原価管理の徹底」とだけしか書いてありませんが、

 

 おそらく、

 

 「建設業会計に則った処理をする」

 

 ことだと思います。

 

 そのためには

 

 「社内労務費と社内機械使用料などの基準額が必要」

 

 という結論になるのでしょう。

 

 

 

■建設業の原価計算に関する、ある文献には次のように書いてあります。

 

----------------------------------------------------------------------

 

 <機械費の基本的な計算について>

 

  1.機械費は、その取得形態を問わず、個々の建設工事において使用され

   た程度に応じてその損耗分を集計し、以下の区分に従い当該工事の建

   設工事原価(機械費)とする。

 

  2.購入等によって取得した機械については、その減価償却費、維持修繕

   費用、当該資産の保有に課される租税公課、保険料を集計し、当該建

   設工事に使用された程度(日数、時間等)に応じて機械費とする。

 

   なお、その取得にともなって企業外部に支払いの発生する手数料・引

   取運賃・租税公課・保険料等の付帯費用は、当該機械等の取得価額に

   算入する。

 

  3.リース、レンタル等によって賃借する機械等については、当該賃借料

   (維持修繕費用を含む)を当該建設工事に使用された程度(日数、時

   間等)に応じて機械費とする。

 

  4.資産として計上しなかった消耗的な工具・器具・用具については、こ

   れを機械費とする。

 

 

 <各工事に共通する機械費の処理について>

 

  建設工事に共通的に発生する機械費は、機械作業に関わった時間等の適

  切な基準に基づいて各工事に配賦する。

 

 

 <予定機械率(機械損料)による計算について>

 

  1.実績原価としての機械費を計算する過程において、機械費の管理等の

   目的のため、機械単価を内部的にあらかじめ定めた単価(予定機械率

   あるいは機械損料)によって計算することができる。

 

  2.予定機械率による機械費の計算を実施した場合は、適切な時点で原価

   差異(機械率差異あるいは機械損料差異)を算出しなければならない。

 

  3.機械率差異は、原則として、関係した建設工事原価に配分する。僅少

   な場合には、会計期間中の完成工事原価として処理することができる。

 

----------------------------------------------------------------------

 

 Aさんに「社内機械使用料等」についてアドバイスした税理士の方は、

 

 「予定機械率(機械損料)」のことを言いたかったのかもしれません。

 

 

 

■MQ会計で考える工事原価VQは

 建設業会計で計算される原価とは異なります。

 

 どうしてか、

 

 利益が生まれる構造、そしてこの先の経営をわかりやすくするためです。

 

 製造業における製品別原価計算も建設業における工事別原価も

 当時の大蔵省企業会計審議会が

 1962年に中間報告として公表した会計基準がベースです。

 そして残念ながら50年以上ものあいだ、一度も改訂されていません。

 

 書店にある「原価管理で利益が増える!」のような書籍、参考書は

 これを基本として書かれているのです。

 

 

 「では、どうすればいいの?」

 

 

 答えはカンタンです。

 

 〇 製造業では原価計算をやめる

 〇 建設業では出面帳を使った人工計算をやめる

 

 それだけです。

 これをするだけで事務作業量が一気に減ります。

 

 ところが多くの社長、工場長、現場監督、経理部長はやめられません。

 

 なぜか、

 

 〇 工事現場ごとの正しい原価が把握できなくなる

 ○ 経審への提出書類が作れなくなる

 ○ 製品ごとの原価がわからないと何が儲かっているのかわからない

 ○ 税務申告ができなくなる

 

 

 「原価管理をやめる?

  これまできちんと原価を把握しようと努力してきたのに

  原価計算をするな?(ふざけるな!)」

 

 

 せっかく培ってきたこれまでの仕組みをそう簡単に手放せません。

 これまでの慣習からそう簡単に抜けられません。

 いままでとまったく逆のことなど不安でできないのです。

 そしてやめられない理由を延々と言いはじめます。

 

 では社長のみなさん、考えてみてください。

 

 業務改善や改革を行うときに

 必ず反対する社員がいることを、、、

 

 そしていま、それをあなたが反対していることを、、、

 

 会計情報を経営に真剣に活用したいのであれば

 やるか、やらないか、決めるのは社長しかいません。

 

 業績のいい会社は「仕事が増えているから」だけではありません。

 やるべきことをやっているから業績アップに繋がっているのです。

 

 経営審査に出す書類を重要と考えるのか、

 経理処理の改革を優先するのか、

 

 それは社長、あなたが決めることです。

 MQ会計はそれを強力にサポートできるツールですから。

 

 

 「では税務署へ出す決算書の未成工事支出金や仕掛品はどうするの?」

 

 

 メルマガで簡単にお伝えできるような内容ではありません。

 製造業や建設業の方が【活用編】のセミナーに参加されたときは

 

 【30分でできる税務署用の製品、仕掛品、仕掛工事の評価計算】について

 

 具体的に説明します。まさに目からウロコの内容です。

 

 期中はMQ会計(経営管理用)で処理し、決算のときだけ

 税務署が通るような棚卸評価をすればいいのです。

 

 

 

■前回、前々回のメルマガに

 多数の感想をお寄せいただきありがとうございました。

 

 建設業の方が、同じ悩みをお持ちのようすが

 伝わってきます。

 

 今後のメルマガで紹介させていただきたいと思います。

 

 

 次回は、、、

 

 レンタル業を行っている会社です。

 売上原価はどう計算すればいいのでしょうか。

 

 昨年10万円で仕入れた商品をレンタル料5万円で、

 昨年度に3回、今年度に2回、レンタルした場合、

 今年の売上原価はどう計算するのでしょうか。

 

 お楽しみに!

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【発行元】株式会社アイティーエス http://www.mxpro.jp/

【発行責任者】宇野 寛  

【メルマガ登録・解除は】 http://goo.gl/5KMT67

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ※ブログやホームページ等への無断転載を禁止します。

  ただし、知人・友人への転送、社内での回覧はご自由にどうぞ。

  その際は全文を改変せずにご利用ください。

 

 

 【無料メルマガ】

 社長のための会計学 マトリックス通信

  ⇒ 最新バックナンバーはこちらから

 

 この先どうする!

   売上を増やすと、、、本当に利益が増えるのですか?

   経費を減らすと、、、本当に利益が増えるのですか?

   製造原価を下げると、、、本当に利益が増えるのですか?

 

 経営指導した15,000社が黒字体質に変わった!

   『利益が見える戦略MQ会計(かんき出版)』の著者が書き下ろす

   社長のための会計学です。

 

   メルマガをご希望の方は ⇒ こちらからご登録いただけます

 

 

社長のための会計学

【無料メルマガ】

 マトリックス通信

 最新バックナンバー