【会計はカネ勘定、経営はカネ儲け】
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■□ 戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□ 社長のための会計学 【 マトリックス通信 】
■■ Vol.353 2014/08/04
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■「利益」という言葉は「会計用語」です。
収益(売上)から費用(経費)を差し引いた残り(差額)が利益です。
ですから会計の世界では、
「利益を増やすためには、売上を増やすか経費を減らすしかない」と
あたりまえのように言われています。
会計に専門的に従事している人たちの多くは、次にように考えます。
・ 仕入(原価)を安くすることで利益は増える
・ 経費をできるだけを掛けないことで利益は増える
・ 利益率のいい商品を売れば儲かる
・ 対売上高人件費率や労働分配率は低ければ低いほど良い
そもそも会計の範囲は、
「売上がいくらで、経費がいくらか」を集計するまで。
そしてその結果、
「会計のルールで計算した場合、利益はこうなりますよ」
ここまでが会計の役割です。
■売上が前年より減った!
経費が先月より増えた!
利益が減ったのは(あるいは増えたのは)どうして?
売上を増やせ、経費を減らせ、
さてどうする?
ここから先の話は、会計の分野ではありません。
会計は「カネ勘定」、経営は「カネ儲け」、
と言われるゆえんです。
たんに会計に詳しいというだけで、
「利益を増やすには、売上を増やすか経費を減らすしかない!」
という発想は、科学的とはいえません。
■今年の3月、東京で
「利益が見える戦略MQ会計【プロフェッショナル編】」のセミナーを
開催したときのことです。
初日はプロの会計人、コンサルタントの方々だけのセミナーです。
はじめての試みにもかかわらず、
会場が満席になるほどのお申し込みがありました。
翌々日は、「経営者向け」のセミナーを行いました。
そして気付いたこと、
「現場を生で感じている社長と、
数字だけで考えようとする会計人とでは、反応がまったく違う」
ということでした。
社長たちは必死に経営の現場で活用しようと、
具体的な質問が次々出てくるのです。
■多くの会計人は勘違いをしています。
決算書や会計をきちんとすれば会社の業績アップに繋がる、、、
経営分析を駆使すれば何とかなる、、、と。
「会計で会社を強くする!?」
けっしてそんなことはありません。
利益を生み出すのは、商品や製品、サービスからだけです。
決算書から離れ、売上の中身まで追求しないかぎり、
「たまたま売上が増えたから、減ったから」で終わってしまうのです。
会計はカネ勘定、経営はカネ儲け
売上や経費がいくらだったのか、を
【会計のルール】で計算するのが会計の役目。
売上を増やすには、、、
利益を増やすには、、、
ここから先は会計(カネ勘定)ではなく
経営(カネ儲け)の分野の話なのです。
多くの会計人は、これらを「ごっちゃ」にして考えてしまうから
「利益を増やすためには、売上を増やすか経費を減らすしかない」という
理屈になってしまうのです。
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