Vol.396 【社長のための直接原価計算】

 【社長のための直接原価計算】

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■□  戦略MQ会計・DC・マトリックス会計

■□   社長のための会計学【 マトリックス通信 】

■■   Vol.396 2015/11/10

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■全部原価FC(フルコスティング)とは、

 製造業や建設業で行っている原価計算のやり方です。

 製造や工事の際に掛かった材料費、労務費、製造経費(外注費を含む)の

 合計を原価と「みなし」ます。

 

 決算書のB/S資産の部には、このようにして計算された

 製品、仕掛品、仕掛工事、未成工事支出金が載っています。

 そしてその原価の内訳が「製造原価報告書」や「建設原価報告書」です。

 

 製造業や建設業に長くいると、この方法は「あたりまえ、常識」です。

 いかにうまく会社に当てはめようか、考えます。

 

 ところが、この全部原価FCでは、

 

 「期末の製品や仕掛品、

  未成工事支出金の金額が多ければ多いほど利益が出る」

 

 という現象が起きてしまいます。

 

 「作れば作るほど儲かる」のです。

 

 「売れなくても、、、」です。

 

 

■全部原価FCによって生じるこのような現象に異を唱えた人がいました。

 J.N.Harris(ハリス)です。

 1936年に書かれた彼の論文「我々は先月いくらもうけたか」には、

 次のような記述があります。(要約しています)

 

 ・全部原価FCは、経理部長の立場から見れば会計規則に則って

  行った会計処理であり、その限りにおいては間違っていない

 

 ・ところが、会計の素養があまりない社長にとっては、

  そんなことはどうでもいい、会計特有の仕組みなど問題ではない

 

 ・売上高と利益が対応して推移しないような損益計算書はおかしい!

  これが社長の感覚である

 

 ・配賦の仕方によって原価が変わるというのは、

  この先を考えるうえで邪魔になる

 

 そこでハリスは考えます。

 

 ・経営に使えるようにするには、経理部長が配賦している製造間接費を、

  原価から除いてしまおう

 

 そして考え出された損益計算の方式が「direct cost plan」、

 「直接原価計算」という名称はここに由来しています。

 世界で最初に「直接原価計算」に言及した論文となりました。

 

 興味深いのが、「我々は先月いくらもうけたか」が

 重要な研究テーマになっている点です。

 当時のアメリカでは、すでにこのような問題を研究していたわけです。

 

 ※)参考文献:直接原価計算論 発達史(高橋 賢【著】中央経済社)

 

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■では、日本の中小企業における原価計算の実態はどうなのでしょうか。

 

 期中では製品ごとの原価計算を行っていない企業でも、

 期末になると製品や仕掛品、仕掛工事については、

 全部原価FCで計算(評価)しなくてはなりません。

 

 決算書は全部原価FCで作られています。

 したがって「我々は昨年いくらもうけたか」、がわかりません。

 

 1936年にハリスが疑問に思ったようなことが、

 日本では、いまも堂々と行われているのです。不思議な国です。

 

               ・

 

 期末の製品や仕掛品が一時的に多くなると利益が増える、という

 全部原価FCでは、「我々は先月いくらもうけたか」という

 疑問には答えられません。

 先月の儲けがわからないのに、来月の利益が計算できるはずはありません。

 

 中小企業にとって「明日からどうする!?」は、とても重要です。

 

 全部原価FCは、税務申告用にとどめるべきであって、

 この先の計画を作るうえでも、過去の損益分岐点分析を行ううえでも、

 使ってはいけません。

 

 ・この先、この製品を作り続けるのか

 ・この先、この製品の販売はやめるべきなのか

 ・この先、この物件は受注すべきなのか

 

 少なくとも中小企業の社長方は、誤った経営判断をしないためにも、

 直接原価DCで意思決定をしていかなければなりません。

 

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▼製造業や建設業の方はとくに注意してください。

 

 「全部原価FC」で作られた決算書からは

 経営の実態、収益構造の実情をつかむことができません。

 

 MG(MQ戦略ゲーム)の第1期目では、

 「全部原価FC(税務署用)」と「直接原価DC(社長用)」両方で

 決算を行ないます。

 

 税務署用の決算書は黒字だったのに、

 直接原価DCで計算し直すと、、、じつは赤字だったのです。

 

 社長の感覚により近いのが「直接原価DC」です。

 社長ご自身の手で計算してみてください。

 

 

▽この決算書はおかしい!

 

 MG研修に参加しマトリックス会計を学ぶと会計の本質がわかってきます。

 ご自身の会社の決算書に疑問を持つようになります。

 社長方には、ぜひ参加してほしいと思います。

 

 MGは、どんな業種にでも当てはまります。

 初心者、とくに大歓迎!

 会計の知識は必要ありません。

 

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