【こんなに利益が出ているはずがない!】
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■□ 戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□ 社長のための会計学【 マトリックス通信 】
■■ Vol.397 2015/11/17
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■月次決算で作られる資料、年一回作成する決算書などの会計情報、
社長によって会計に期待する内容が違います。
・毎月の経営指針に使っている
・この先の経営情報として欠かせない
・税金計算用と割り切っている
・決算書や月次の帳表は当てにしない
・見てもわからない
・自分の経験や勘のほうが頼りになる
・独自の経営資料を作っている
・銀行からの融資には欠かせない
そして
「オレは会計に期待なんかしてねーよ」
という社長まで、いろいろです。
・
もう30年以上も前になりますが、
会計事務所で仕事をしていたときのことです。
決算書の最終利益は、企業から提出される棚卸の金額で確定します。
棚卸が出てこないと税金の計算ができません。
「棚卸はいつごろ出来上がりますか?」
「来月の中ごろには、、、」
「できるだけ早くお願いしますね
(なにやってんだよ、それじゃあ間に合わないよ)」
こんなやり取りが続きます。
■棚卸の金額が確定し、利益を計算してみると
社長と打合せをした予想の利益を大幅に上回ります。
そして決まり文句、
「そんなに利益が出ているはずはない!」
社長にとって、これまでの経験や感覚からするとオカシイのです。
しかし、会計事務所側からすれば、
「期末にこれだけ在庫が残っているのだから、、、」
という、理屈や数字で説明しようとします。
そして前期や前々期と比較します。
・粗利益率はどうなのか
・期末の仕入漏れはないのか
・売上が重複していないか
・毎月の人件費や経費は適正か
最後に、
「在庫の計算間違っていませんか?」
これでは、経営のためというより事務所の自己防衛、
あなたの出した数字で決算をしてみたら、
こうなっただけですよ。(私のやった仕事は間違いありません)
■ちょうど棚卸の話題になりましたので、その話をします。
社長方に質問です。
決算書に計上された材料や仕掛品、製品などの在庫の金額は、
どこまで信頼性があると思いますか。
もしかしたら、あなたが依頼している税理士は
こちら(企業)が計算した在庫の金額に対し、
何の疑問もなくそのまま決算書に計上していませんか。
これまで企業に伺い決算書を見る機会があるたびに、
社長に質問しています。
ここに載っている在庫は、どうやって求めたのですか?
在庫の計算の仕方について、これまで税理士から
説明や指導を受けたことがありますか。
現場ではどうやって在庫を把握しているのかを、
税理士は見に来たことはありますか?
・
なぜ、原価率が上がったのか
なぜ、利益が減ったのか
なぜ、人件費率が上がったのか
なぜ、売上が減ったのか
決算書に計上された数字は、すべて過去のものです。
いま、現場では、何が起きているのか、
どのように進行しているのか、
社長はじめ、現場にいる人にしかわかりません。
「税務会計の立場から言えば、、、」
現場も見ずにナンセンスです。
決算書を分析し経営アドバイスをするのであれば、
税理士は、もっと現場に踏み込んでほしいと思います。
そうすれば、社長方との感覚のズレも少なくなるはずです。
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