【経常利益率10%!はたしてどうなの?】
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■□ 戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□ 社長のための会計学【 マトリックス通信 】
■■ Vol.420 2016/09/09
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■先日、セミナーで
一番重要視している指標を一つ挙げるとしたら何ですか?
と質問したところ、
「経常利益率です」
と答えた経理部長がいました。
どうしてですか?と尋ねると、
次のような話をしてくれました。
◎うちの会社の社長が、経常利益率を何としても10%以上に!
という方針を打ち出したので、
経理としては、経常利益率が高くなるようにと、
経理処理で工夫をしている
◎役員保険料など調整が可能な費用は、経常利益の下の項目
「特別損失」で処理するように心がけている
なぜそうなったか?という問いに、
私(経理部長)も今の経理処理に疑問を感じているが、
社長がある勉強会に参加し、経常利益率10%を達成しない経営は、
経営とは言えない、というようなことを聞いてきたことがきっかけらしい。
では、ということで、
「経常利益率10%」を意識しているかどうか、
セミナー参加者に尋ねたところ、
「経常利益率10%と言うけれど、
うちはもともと粗利益率が低いので、無理だと思います」
という発言もありました。
■経常利益率とは、売上高に占める経常利益の割合です。
売上高が1億円の会社では1千万円、
100億円の会社では10億円の経常利益が出た場合に10%になります。
・
ASCII.jpデジタル用語辞典の解説
[経常利益]
企業が通常の経済活動で毎期に経常的・反復的に生じる利益のこと。
売り上げから本業にかかったコストを差し引いたのが営業利益であり、
この営業利益に財務活動などの本業以外の損益を加えたのが経常利益である。
企業本来の本業における強さを見るときには営業利益を見て、
財務活動などを加えて企業全体の強さを見るときに経常利益を見ることになる。
一般的には売上高経常利益率が、企業の収益力に関する基本的な指標と
されている。
デジタル大辞泉の解説
[けいじょう‐りえき〔ケイジヤウ‐〕【経常利益】]
企業の通常の経営活動により、毎期経常的・反復的に生じる利益。
損益計算書では、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いて
表示する。
けいつね。
・
では、なぜ10%なのでしょうか?
10%にはどんな根拠があるのでしょうか。
今回は、”経常利益”について考えてみます。
経常利益は会計用語、売上高に占める経常利益の割合です。
「経常利益÷売上高×100」で求めます。
経常利益率は、「対売上高比率」です。
経常利益率にかぎらず、
対売上高比率は、経営分析のなかで多用されています。
・売上高総利益
・営業利益率
・対売上高材料費
・対売上高外注費
・対売上高支払利息
・対売上高人件費、、、
売上高で割れば、なんでも対売上高比率になります。
これまでのメルマガでも何度か紹介してきましたが、
対売上高比率は、けっして重要な比率ではありません。
■ここでちょっと頭の体操です。
(質問A)
人件費、材料費、外注費、支払利息を売上高で割れば、
売上高に占める費用の割合(比率)がわかります。
・対売上高人件費比率
・対売上高材料費比率
・対売上高外注費比率
・対売上高支払利息比率
では質問です。
これらの比率は、高いほうが良いですか、それとも低いほうが良いですか。
(質問B)
では次の質問です。
売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益を売上高で割れば、
・売上総利益率
・(対売上高)営業利益率
・(対売上高)経常利益率
・(対売上高)当期純利益率
これらの比率は、高いほうが良いですか、それとも低いほうが良いですか。
・
比率で考えていくと、最後は
「何としてでも売上を増やす!」
「がんばって原価率を下げる!」
要するに、「売上を上げて費用を減らす」という結論にしかなりません。
これでは、根性論になってしまいます。
じゃあ、どうするのか?
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