【貸借対照表ってナンだ!?】
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□■ 戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□ 社長のための会計学【 マトリックス通信 】
□■ Vol.442 2017/06/27
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■専門的な職種に就くと、
専門用語に慣れてしまい、
専門用語を使って会話をすることが当たりまえになってしまいがちです。
前回の続きです。
会計が苦手な社長方に【強く】伝えたいこと、それは、
・経営は社長のほうがプロ
税理士に経営を頼るものではない
・経営を考えるうえで専門用語は要らない
専門用語や難しい言葉など社員には伝わらない
・決算書は税理士から解説してもらうものではないし
経営に使うものでもない
・税理士が難しい専門用語で説明をはじめたら、
その税理士は「説明能力が足りない」と思って良い
・会計はけっして難しくない
会計全体の構造をまず理解してほしい
そして図形で考えてほしい
・決算書から学び始めるから挫折する
決算書は会計のほんの一部の情報にすぎません。
税理士が相手にしているのは「社長」のはずです。
社長たちは税理士に向かて堂々と言ってほしいと思います。
「われわれにもわかる言葉で説明してほしい!」と。
ただし、会計の基本的な部分は、
社長自身が学ばなければなりません。
■ここから「会計用語」の話です。
なぜ、日本の会計用語はわかりにくいのか!
いまの会計(複式簿記)の土台ができたのは明治時代、
日本に複式簿記を持ち込んだのは一万円札のあのひと、
福沢諭吉です。
明治6年(1873年)に、アメリカで使っていた当時の簿記の教科書を和訳して
『帳合乃法(ちょうあいのほう)』という本に著したのがはじまりです。
いろんな文献を見てみると
諭吉は、「貸方(かしかた)と借方(かりかた)だけは翻訳に困ったらしい」
と書いてあります。
日本の簿記会計で出てくる貸方、借方は
たんに「右左(みぎひだり)」の符号(符牒)にすぎません。
おカネの貸し借りとは無関係です。
英語では「Credetor 貸し主・債権者」、「Debtor 借り主・債務者」。
「貸」と「借」を直訳したようです。
同じように直訳で意味がわからなくなったのが
「フルコストとダイレクトコスト」、「全部原価と直接原価」です。
誰かが「フル」を「全部」と訳したのでしょう。
そして「ダイレクト」は「直接」です。
日本語になると意味がまったくわかりません。
それを専門家は、当たりまえのように使うのです。
ちなみに中国、台湾では日本と同じ「貸方・借方」。
韓国では「貸邊・借邊」。
発音は、、、
知りません。
■日本では一般に「貸し借り」と言います。
貸借(たいしゃく)です。
では中国ではなんと言うでしょうか。
発音はわかりませんが、「借貸」だそうです。
ほかにも、
日本では「送り迎え、送迎(そうげい)」と言いますが、
中国では「迎え送り」。
中国の蘇州や大連で長い間仕事をしてきた知り合いのYさんから聞いた話を
思い出しました。日本人ですが、中国語はペラペラです。
彼が以前に調べて送ってくれたものをまとめたものです。
・
〇中国語は多くの場合、日本語と語順が逆になります。
日本では「貸し借り」と言いますが、中国語では「借貸」。
「送り迎え」は「迎え送り」、
「輸出入」のことを「進出口」と言います。
〇日本は先に出し、後で入れますが、
中国は先に「IN」してから「OUT」します。
借りてから貸す、迎えてから送る、輸入してから輸出する。
〇日本では子どもの送り迎えは、先に「送って」から「迎えます」が、
中国では一人っ子政策で子供がひとりしかいないため、
親たちは子供が拉致誘拐されないように大事に迎え
接してから次の朝送り出します。
〇切符の自動販売機も、日本ではおカネを先に投入(OUT)してから
目的地の金額を押して切符を手に入れ(IN)ます。
しかし中国では行き先を決めてからお金を投入します。
〇先に相手にGiveしてから後でTakeする日本に対して
中国では先にもらえるものはもらって(Take)
そのあとで与える(Give)ように思います。
私の勝手な思いです。
・
興味深い話です。隣の国なのにまったく逆なんですね。
もしかしたら、「出入口」のことを「入出口」というのかもしれません。
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■日本では「貸借対照表」、
中国では「資産負債表」、
アメリカでは「バランスシート」。
なぜ、諭吉は「貸借対照表」と命名したのか、
これまでセミナーに参加した会計の専門家に聞きました。
100人中100人が「バランスシート」のほんとうの意味を知らなかったのです。
専門用語とは「そんなもの」です。
使えるだけでわかった気になるのです。
「わかる」と「できる」の間には、大きな壁が立ちはだかっているのです。
続きは次回のメルマガで、、、
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▼セミナーに参加した方の感想です。
★税理士事務所職員としての限界と自分自身に知識とスキルのなさを痛感
しました。現在、税務会計だけでなく経営支援業務に取り組み始めたと
ころなので、さらに理解を深め習得し、中小企業の手助けができるよう
になりたいと思います。(税理士事務所職員)
★何のための決算書なのか、何のための売上日報なのか、よくわからずに
今まで見ていたことに気付きました。分析とはどういうことか、本当に
よくわかりました。会社に帰ってすぐに実践します。(会社社長)
★月次や年次決算書は、税理士さんに作成してもらっていますが、いつも
「で、これが何になるの?」という疑問ばかりでした。
過去の決算書をいくら分析してもしょうがないということが良くわかり
ました。データは、未来のために活用してはじめて役に立つことを実感
しました。(会社社長)
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