Vol.446【生産性があがらない!】

 【生産性があがらない!】
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□■  戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□   社長のための会計学【 マトリックス通信 】
□■   Vol.446 2017/08/23
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■ある製造業での出来事です。
 
 この会社は 鉄材を仕入れ加工して製品にする受注産業、
 社員100人ほどの鉄工所、町工場です。
 
 受注は絶え間なくきます。工場は忙しいし残業も多いほうです。
 利益は出ていますが、業績は思ったほど伸びていません。
 そこで、知り合いに紹介してもらったコンサルタントに
 依頼することにしました。
 
 ある日、コンサルタントがやってきます。
 ひととおり工場を見たあと、
 提出してもらった資料を見ながら、彼が言いました。
 
 ・売上は少しずつだか伸びている
 ・原価率も同業他社と比べて高いわけではない
 ・ただ、生産性が低い
  生産性さえ良くなれば業績はもっと伸びるはず
 
 「私がこれから指摘する箇所を改善していってほしい。
  そうすれば、生産性がいまよりは2割アップします。
  生産性があがれば原価率は5%~8%は改善するはずです。」
 
 「生産性の向上はそのまま利益に直結するので、
  私の計算では、いまの利益の3倍にはなりますよ。」
 
 生産性はたしかに低いと、つねづね感じていた社長は、
 コンサルタント(もと、大企業の製造部長)に、
 1年間指導をお願いすることにしました。
 
 
■この話は、私が過去に伺った企業で
 実際にあった話をもとにしたものです。
 
 結論を先に言うと、
 半年を過ぎたころ、製造現場から反対意見が出始めました。
 
 「このまま言うことを聞いていたら、
  生産性は低下するし、納期遅れが発生してしまいます」
 
 コンサルタントから出される宿題をこなすのに、
 月のうち3日も4日も時間を割かなければなりません。
 
 その時間を製造に回した方がよっぽど生産性があがる!
 という、現場の意見だったのです。
 
 社長は、せっかく払った報酬を無駄にしたくありません。
 しかし、現場の意見を尊重し、
 やむなく中途で解約することにしました。
 
 うまくいかなかったのは、
 このコンサルタントは、自分が体験してきた大企業のやり方を
 そのまま当てはめようとしたことでした。
 社員100人の町工場が大企業のマネをしてもうまくいくとは思えません。
 
 
■この話を聞いて、社長に2つ質問をしました。
 
 1.「生産性を2割アップする」とは、
   何をもって2割なのですか?
 
 2.原価率を5~8%下げるといっていますが、
   何をもって下がったといえるのですか?
 
 この会社は、原価計算(個別原価計算)を行っていません。
 資料にも製品ごとの原価率は載っていないのです。
 
 ですから、何をもって原価率を下げるのか、
 聞いたところ、直近の決算書の原価率だというのです。
 
 決算書ほど当てにならない原価率はありません。
 そもそも、決算書に載っている「製品や仕掛品」は、
 どうやって計算しているのか、です。
 
 「決算書の原価率を下げる?」
 
 まったく意味がない、ということに
 社長はようやく気付いたのです。
 
 
■では「1.の生産性」についてです。
 
 「社長、生産性って、そもそも何ですか?」
 
 読者のみなさん、「生産性をあげる」って
 具体的に、何をどうすることだと思いますか?
 
 (次回に続く)
 
 

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