Vol.460【月次決算書からMQ会計表を作る(その2)】

 【月次決算書からMQ会計表を作る(その2)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□■  戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□   社長のための会計学【 マトリックス通信 】
□■   Vol.460 2018/04/04
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
■前回の続き、
 
 月次決算書(損益計算書)からMQ会計表に変換する場合の問題点を
 2つ挙げます。
 
 一つは、売上原価、
 もし製造業や建設業であれば、製造原価、工事原価が含まれます。
 製造業でなくても「売上原価=VQ」にはなりません。
 
 もう一つは、勘定科目です。
 
              
 
 あなたの会社が製造業で、
 P/L(損益計算書)の売上原価に次のように表示されていたとしたら、、、
 
 [売上原価]
  ・期首棚卸高
  ・商品仕入高
  ・当期製品製造原価
  ・期末棚卸高 △
 
 
 もし、あなたの会社が製品のみを製造している場合
 なんとかがんばってMQ会計表に変換することができます。
 (そのまますんなりとはいきませんが、、、)
 
 ところが、
 
 他から仕入れた商品も一緒に販売していたとしたら、
 MQ会計表は作れません。
 
 なぜか、
 
 売上原価の[期首棚卸高]と[期末棚卸高]には、
 商品と製品が合計されているからです。
 商品と製品では収益構造が根本的に異なるからです。
 
 
■MQ会計表に変換するにあたって、
 少しだけB/S(貸借対照表)の話をします。
 
 貸借対照表の棚卸資産のところには、次の順番で勘定科目が並んでいます。
 
 [棚卸資産]
  ・商品
  ・製品
  ・半製品
  ・原材料
  ・仕掛品(半成品)
  ・貯蔵品
 
 商品は、販売することを目的として所有する購入物品です。
 仕入れてすぐに販売できる状態の在庫です。
 (不動産業者が販売することを目的として所有する土地、建物、
  証券業者が同様に所有する有価証券等は商品です) 
 
 製品は、原材料を仕入れて製造や加工の工程を経て
 それを販売することを目的として所有する製造品や生産品です。
 
 法人税法の基本通達には、次のように書かれています。
 
----------------------------------------------------------------------
 
 (購入した棚卸資産の取得価額)
 5-1-1 購入した棚卸資産の取得価額には、その購入の代価のほか、
 これを消費し又は販売の用に供するために直接要した全ての費用の額が
 含まれるのであるが、次に掲げる費用については、(以下省略)
 
 (製造等に係る棚卸資産の取得価額)
 5-1-3 自己の製造等に係る棚卸資産の取得価額には、
 その製造等のために要した原材料費、労務費及び経費の額の合計額のほか、
 これを消費し又は販売の用に供するために直接要した費用の額が含まれる
 のであるが、(以下省略)
 
----------------------------------------------------------------------
 
■まとめると、
 
 商品(購入した棚卸資産)は、
 購入代価額+消費し又は販売の用に供するために直接要した全ての費用
 
 ところが製品(製造等に係る棚卸資産)は、
 材料費+労務費(手間賃)+製造の過程でかかった経費の合計
 +消費し又は販売の用に供するために直接要した費用
 
 そして、それぞれに【ただし書】がついています。
 
 会社が決算時に集計する「棚卸の金額」については、
 事前にやりかたを指導し、中身を検証するのは税理士の重要な仕事です。
 
 ところが、社長に「製品や仕掛品」の中身について尋ねると、
 けっこういい加減な答えが返ってくるのです。
 
 だいたい
 売価の8掛け
 昔からのやり方(20年前の分単価を使っている)
 進捗率
  などなど
 
 「売価」で計上している製造業もありました。
 
 ということは、
 
 決算書からMQ会計表をかりに作ったとしても、
 「ふーん、ビジュアルでわかりやすいね」
 で終わってしまう可能性が十分にあるということです。
 
 「税法基準で作られた決算書である」ということを念頭において、
 これを経営に活用するにはどうするかを
 一緒に考えていかなければなりません。
 とりあえず作ったとしても、その先すぐに行き詰ってしまうからです。
 
 
■このような問題は【とりあえず】置いといて、
 手っ取り早く作るためにどうするか。
 
 期首棚卸高と期末棚卸高の「商品、製品」それぞれの金額を区分し、
 製品に含まれている「労務費と経費」を計算することです。
 
 商品と製品の両方を扱っている場合には、
 勘定科目を次のように分けてみてほしいと思います。
 
 ・期首製品棚卸高
 ・期首商品棚卸高
 
 ・期末製品棚卸高
 ・期末商品棚卸高
 
 えっつ?面倒くさい! 
 
 そう、税務署用に作られている決算書(月次決算書)から、
 MQ会計表に変換しようとすると、けっこう大変なのです。
 建設業は、もっと大変です。
 
 本来、建築土木をMQ会計で考えればとてもシンプルなのですが、
 (建設業はMQ会計にもっとも適している業種)
 建設業会計システムが、これを複雑にしてしまいました。
 
 じゃあ、どうするか。
 
 勘定科目の設定って、MQ会計表でこの先の経営を考えていく場合には、
 けっこう重要になってくるのです。
 
 MQ会計を経営に使っていくにつれ、 
 「もっとわかりやすい勘定科目に変えたい!」と、 
 社長方は、言い出します。
 
 うちは販売業なので関係ない!?
 
 ところが、、、
 
 
 次回は、
 
 「そもそも、何のためにMQ会計表に変換するのか、したいのか」
 
 について、もうちょっと整理していこうと思います。
 
 整理すれば、その先が少しづつ見えてくるかもしれません。
 私も、整理しながら続きの原稿を考えます。
 
 (つづく)
 
 

社長のための会計学

【無料メルマガ】

 マトリックス通信

 最新バックナンバー