Vol.481【農業からMQ会計の本質に迫る(その1)】

 【農業からMQ会計の本質に迫る(その1)】
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□■  戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□   社長のための会計学 【マトリックス通信】
□■   Vol.481 2019/02/05
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■あるきっかけから、
 農業についてのMQ会計をじっくり考えてみよう
 ということになりました。
 
 以前、農業に関するメルマガを書いたことを思い出し、
 探してみました。
 
 Vol.263 2011/01/20 【田んぼのリロン】
 
 8年が経過しています。
 読み直してみました。
 8年も経てば私の研究も深まっています。
 
 今回、当時の原稿に加筆修正しました。
 本文で紹介している数字や状況は当時のままです。
 
 ・管理会計とMQ会計はどこが違うのか
 ・変動費、固定費で考えていては未来は見えない
 ・どうして期末の在庫が増えれば利益が増えるのか、、、売れなくとも
 
 農業のMQ会計をとおして、
 今回から3回連続で考えます。
 
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■東北地方で農業を研究している方からメールをいただきました。
 
 ●私は農業経営を研究する研究員です。
  以前は、農業改良普及員という肩書きで
  農業経営のコンサルタントをしていました。
 
  マトリックス会計、MQ会計などを学び、
  農業経営に使えないものか、いろいろ研究しましたが、
  農業は気象条件に影響を受けやすく不確定要素があまりにも多いため、
  農業経営には向かないのではと考え続けて現在に至っています。
 
 ●しかしこの先、大規模な農業経営には、
  マトリックス会計の考え方が不可欠ではないかと思い、
  独自の「農業マトリックス会計」のようなものができないか、
  などと考えています。
 
               ・
 
 この方のメールにも書いてあるとおり、
 農業は天候不順などによる不確定要素は多分にあると思います。
 
 ・天候不順により「完成品」ができない
 ・「完成品」ができなければもちろん売れない
 
 では農業以外ではどうでしょうか。
 
 ・冷夏のときはエアコンが売れない
 ・暖冬で雪が降らなければスキー場の経営は成り立たない
 ・季節商品の売上は天候に左右される
 ・景気変動で売れ残った商品を廃棄する
 
 MQ会計はどんな業種にも当てはまります。
 F以上にMQを稼ぎ出さなければ赤字です。
 
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■農業に当てはめるとどうなるでしょうか?
 (今回はお米に限定しています)
 
 PQはわかります。
 生産した米の販売代金の総額です。
 
 では、
 
 P(単価)は?
 V(原価)は何? 
 Q(販売数量)は何にすればいい?
 F(期間費用)をどう考える?
 
 そのまえに、
 管理会計を使ってこれを考えてみようと思います。
 
 MQ会計とどこが違うのか!
 
 比べることで
 MQ会計の本質にたどり着けるかもしれません。
 
 管理会計に出てくるCVP分析は、
 費用を変動費と固定費に分解することからはじまります。
 
 農業特有の費用は?
 
 思いつくまま書き出してみます。
 
 ・苗床を作るための諸費用
 ・肥料代
 ・水田の水代
 ・ポンプなどの光熱費
 ・トラクターや耕運機の燃料代、修理代、減価償却費
 ・米(完成品)を入れる袋や包装資材、発送運賃
 ・田植え、稲刈り、完成品の出荷のときに支払うアルバイト代
 
 ここであえて、
 「変動費・固定費」に当てはめてみようと思います。
 
 
■「変動費は売上高に比例する費用である」と本に書いてあります。
 そうすると農業の場合の変動費は、
 ・苗床を作るための諸費用
 ・肥料代
 ・米(完成品)を入れる袋や包装資材、発送運賃
 
 でしょうか?
 
 「?」と疑問符をつけたのは、「肥料代は固定費だ!」
 という人がいるかもしれないからです。
 「変動費=売上に比例する費用」という定義そのものが曖昧なため
 判定する人によって変わるのです。
 
 「固定費は売上高に関係なく発生する費用」のようですが、
 
 ・水田の水代
 ・ポンプなどの光熱費
 ・トラクターや耕運機の燃料代、修理代、減価償却費
 ・田植え、稲刈り、完成品の出荷のときに支払うアルバイト代
 
 どれが固定費になるのでしょうか?
 変動費でも固定費でもない費用はどう考えればいいのでしょか。
 
 管理会計を学んだ方はお解かりのように、
 変動費でも固定費でもない費用は
 変動費と固定費に何かの基準で「無理やり」分解しなければなりません。
 
 管理会計を学んでいくうちに何が起きるのか!
 
 固変分解にこだわるあまり、 
 
 「じゃあ、この先どうする!?」
 「何のために!」
 
 からどんどん離れていってしまします。 
 
 数字や比率(指標)を使った分析や解説方法だけが身につき、
 机上の空論を振りかざしたところで、解説策は期待できません。
 
 
■「トラクターや耕運機の修理代は変動費なのか固定費なのか」
 こんなことを言い出す人が出てきます。
 
 ・修繕費は両方の要素が入った準変動費・準固定費
  納屋やビニールハウスなどの建物や家屋の部分は固定費、
  田んぼや水路などの設備の修繕であれば変動費になる。
  トラクターや耕運機の修理代も変動費だ。
  軽トラックの定期点検や設備の定期的なオーバーホール代は固定費だ。
  しかし、壊れてからの修理に関しては変動費になる。
 
 ・トラクターや耕運機などの機械については、
  収穫量が多いほど、使うほどに修繕費がかかる。
  このように生産量に比例する費用は変動費として処理することになる。
 
 かりに、
 このとおりに変動費と固定費に分解したとしましょう。
 
 問題はこの先です。
 これを経営にどのように活用すればいいのでしょうか。
 
 結果は、予想がつきます。
 
 ・思うように利益が増えないのは「限界利益率」が低いところに
  原因(問題)がありそうです。
 
 ・限界利益率をあと3%上げれば
  十分な利益を確保することができるはずです。
 
 ・そのためには「変動費率」をどうやって下げるかがポイントになります。
 
 さらに「変動費率を下げるためには、、、」と続きます。
 
 もし、MQ会計を
 このような基準を使ってVとFに分けたとしたら、
 「わけがわからなくなってしまう」と思いませんか。
 
 「もっとシンプルでなければとても使えない」
 
 多くの人が感じるのではないでしょうか。
 
 この理屈が通るのは大企業だけ。
 中小、小規模企業では現場が混乱するだけです。
 
 
 (つづく)
 
 
 
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