【利益率をたった2%アップすると・・・】
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□■ 戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
■□ 社長のための会計学【 マトリックス通信 】
□■ Vol.471 2018/09/18
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▼2018年10月06日(土)/ 07日(日)
東京・MG研修2日間
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▽2018年10月19日(金)~20日(土)
東京・MQ会計2日間【理論と応用】
▽2018年10月21日(日)
東京・MQ会計【実践編】
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▼2018年11月13日(火)/ 14日(水)
佐賀伊万里・MG研修2日間
(この研修は参加条件があります)
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▽2018年11月30日(金)
福島いわき・社長のための戦略MQ会計講座
▼2018年12月01日(土)/ 02日(日)
福島いわき・MG研修2日間
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▼2018年12月08日(土)/ 09日(日)
京都・MG研修2日間
⇒ 近日受付開始
▼2018年12月15日(土)/ 16日(日)
東京・MG研修2日間
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■税理士と社長の会話
◎昨年と比べて利益が大幅に減っていますよ。
売上が1割も落ちたのが影響しているようです。
何か心あたりがありますか?
社長は、売上が落ちた原因を一生懸命説明します。
でも、アドバイスする側は、
「じゃあ、どうすればいいのか」
など、そう簡単に言えません。
そこで、率を使った分析がはじまります。
◎売上が1割も落ち、そのうえ粗利率が2%下がっています。
これが利益が減った大きな要因の一つです。
・・・(言われなくてもわかってるわい!)
社長は、黙って聴いている"ふり"をします。
さらに税理士は、次のようなアドバイスをはじめます。
◎売上を減少前まで回復し、
粗利率を「たった2%」アップさせれば、
利益は〇○円になりますよ。
・・・
(なんだよ、もとに戻るだけかよ。
どうやって売上を回復し、どうやって粗利率を2%アップさせるのか、
そんな方法があったら教えてくれ!)
やはり社長は反応がありません。
税理士の話は【率】が中心です。
多くの税理士やコンサルタントは、
金額に関する具体的な話はしません。
決算書を【率で解説】しているのです。
決算申告時期になると、
このように多くの税理士が「むなしい決算分析」を続けているのです。
このむなしさから抜け出す方法はひとつ、
率による決算書の解説や経営分析を一切やめること、です。
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■今回は、
「粗利率を【たった2%】アップさせれば、、、」
について考えてみたいと思います。
かりに、
前期粗利率(売上総利益率のこと)30%、
当期粗利率28%、
だとすると、
「前期から比べて2%減少した」
という表現は、
具体的に何がどうなったのでしょうか?
売上総利益率(=粗利率)
のように【率】がつく指標には、
必ず
「分子と分母」
があります。
この場合の分子は「売上総利益(粗利益)」、
分母は「売上高」。
では、冒頭の税理士と社長の会話、
◎売上を減少前まで回復し、
粗利率を「たった2%」アップさせれば、
利益は〇○円になりますよ。
■では実際、
【決算書で売上総利益率(=粗利率)を上げるにはどうするか!】
カンタンな数字で実験です。
次のような決算書があります。
売上総利益率は40%です。
売上高 1000万円
売上原価 600万円
売上総利益 400万円(40%)
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販売管理費 410万円
営業利益 ▲10万円
売上総利益率を1%上げれば、
営業利益はトントン(ゼロ)。
さらに1%上げて42%にすれば
営業利益はプラス10万円。
売上総利益率40%を41%にするには
4つの方法が考えられます。
1.売上高そのまま、売上総利益を1%上げる
2.売上総利益そのまま、売上高を減らす
3.売上原価そのまま、売上高と売上総利益をそれぞれ増やす
4.それぞれの金額の組合せで結果の率を計算する
売上総利益率を求める際の
分子は「売上総利益」
分母は「売上高」
ようするに、
分子と分母をどうするのか!
ただそれだけ
■冒頭の
「粗利率を2%アップすれば・・・」は、
1から4のどれを言っているのでしょうか。
「2.売上総利益をそのままにして売上高を減らす」
売上を減らして率だけ上げても営業利益は変わりません。
「1.売上高そのまま、売上総利益を1%上げる」は
小学生でも解ける計算です。
「3.売上原価そのまま、売上高と売上総利益をそれぞれ増やす」
「4.それぞれの金額の組合せで結果の率を計算する」
この2つはすぐに計算ができません。
売上総利益率を単純に1%上げたのが次の状態です。
売上高 1000万円
売上原価 590万円
売上総利益 410万円(41%)
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販売管理費 410万円
営業利益 0万円
さらに2%上げたのが次の状態です。
売上高 1000万円
売上原価 580万円
売上総利益 420万円(42%)
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販売管理費 410万円
営業利益 10万円
しかし、これらはすべて【静止画像】!
静止画像上では、
いくらでも計算はできるのです。
■多くの税理士やコンサルタントは
売上高1000万円の状態を保ち、
たんに「率を上げる」は、
つまり、
「1.売上高をそのままにして売上総利益を2%上げる」
の状態です。
そうすると、
必然的に売上原価を減らさなければなりません。
では、
売上原価率をどのくらい下げればいいのか、
【2%】です。
では、
どうすれば売上原価を2%下げることができるのか!
・
1個60円で仕入れたリンゴを100円で販売する場合の原価は60円、
原価率は60%です。当然粗利率は40%になります。
このリンゴの粗利率を2%上げるには、販売価格100円のままであれば
仕入を58円にしなければなりません。
ところが【売上原価】を2%下げる場合には、そう簡単にはいきません。
売上原価とは会計で使う会計用語です。
まさに売上を計上するためにかかったコストです。
売上原価を求めるには、会計では次の公式を使います。
「売上原価 = 期首棚卸高 + 当期仕入高 - 期末棚卸高」
製造業ではさらに製造原価が加わります。
期首棚卸高、当期仕入高そして期末棚卸高を同時に2%下げなければ
売上原価は2%下がりません。
ところが、「期首棚卸高」は「前期末の棚卸高」です。
すでに確定している金額は変えられません。
そこで売上原価を2%下げるためには「当期仕入高」と「期末棚卸高」を下げ、
全体の売上原価が2%下がるように計算しなければなりません。
◎2%下げた売上原価の金額 ÷ 下げる前の売上原価 = 0.2(2%)
期末棚卸高を計算する際のぞれぞれの商品の単価は2%下がった後の金額です。
期首棚卸高を変えずに当期仕入高と期末棚卸高だけを調整して
全体が2%下がるようにするには複雑な計算が必要なようです。
(次回に続く)
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●MQ会計を実践で活用したい社長方、
税理士、コンサルタントの方へぜひおススメです。
「利益を増やすには粗利率の高い商品を売ればいい」
というのは間違いです。
決算書を見て「利益率を上げろ!」これも誤りです。
率というのは結果です。この先の経営を考える場合、
率よりも「MQ>F」が重要なのです。
経営は率で考えてはいけません。あくまで「額」です。
しかし、もっと重要な要素があります。それは「時間(H)」です。
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