生産性をあげるには、、、

 

利益が見える戦略MQ会計(かんき出版)

の著者が伝える「MQ会計と原価計算・パート3


どうすれば生産性があがるのか、現場は考えます。
 
生産性をあげるとは、、、
具体的に何をどうすることだと思いますか?
 
ある企業の社内MG研修で行った講義を紹介します。
 
「自分たちの部署で、生産性をあげるにはどうすればいいと思いますか?」
 
いろんな答えが出てきます。
 
生産性とはコストをさげること
生産量を増やすこと
時間を短縮すること
同じ人数で生産量を増やすこと
効率をあげること
利益を増やすこと
 
ところが、一人だけこう聞いてきた社員がいました。
 
「宇野さん、生産性って何ですか?」
  

重要なことばの定義

社長は朝礼や会議で、事あるごとに会社の未来について話します。
 
・来期の目標は経常利益率10%を達成する
・来年の売上目標は今年の1.2倍!
・製造コストを3%カット
・来年の営業利益は5千万円
・営業は粗利益率2%アップが目標
 
経営には数字はつきものです。
しかし、社長が使う「ことば」や社長が思っている「内容」は、
社員に正確に伝わっているのでしょうか。
 
そこで重要になってくるのが「ことばの定義」です。
 
来期の目標は経常利益率10%を達成する
 そもそも経常利益って何のこと?
 10%を達成すれば何か良いことがあるの? 
来年の売上目標は今年の1.2倍!
 売上を増やすのは営業の仕事、われわれ総務や事務には関係ない 
製造コストを3%カット
 製造コストって材料費のこと? それとも外注費を減らせってこと? 
  
来年の営業利益は5千万円
 そもそも営業利益の意味がわからない
 営業は粗利益率2%アップが目標
 粗利益率を上げるには粗利益率の良い商品を多く売ればいい?
 
営業の人たちが使う「原価率や粗利率」、
この意味をきちんと理解しているのでしょうか。
 
「原価率をさげる」と、ほんとうに会社の業績が良くなるのでしょうか?
「粗利率をあげる」目的は、何のためなのでしょうか?
 
粗利率も原価率も算数で習う割合、比率のことです。
比率や割合を理解しないで、掛け声のように使っても、
行動には結びつきません。
 

私が講義のなかで重視しているのが「ことばの定義」です。
「生産性」ということばも同じです。
 
先ほどの社内MG研修の話に戻ります。 
この会社がMG研修を始めてから3年経ちます。
参加者のスキルが向上しているのが、はっきりとわかります。
 
「自分たちの部署で、生産性をあげるにはどうすればいいと思いますか?」
 
いろんな答えが出るなかで、
 
「ウノさん、生産性って何ですか?」
 
と質問をしてきたMさん、
彼は講義後の休憩中に、私にこう言いました。
 
「僕はあるときから知ったかぶりをするのをやめました」
 
そうするとまわりの人たちが教えてくれる。
「わからないものはわからない」と堂々と言えるようになるんです。
ちょっと知ってるくらいで「わかったふり」をしないように心掛けています。
 
じつは私も彼と同じように、
あるときから「わかったふり」をやめました。
そうすると見えてくるものが変わってきます。
 
「なぜ、どうして?」
 
疑問が芽生えます。
 
・なぜ、この作業を行っているの?
・この書類は誰が見るの?
・作る目的は何?
せっかく時間をかけて作った会議の資料、ほんとに活用されているの?
・この月次資料、誰も見ていないなら作る必要ないよね
 
「なぜ、どうして?!」
 
私がMQ会計やマトリックス会計の研究を続けていられる原動力です。
そして創造力やアイデア、思考力の訓練にもなっています。
  
「生産性」の話に戻ります。
 
ネットで検索するとウィキペディアにはこう書かれていました。
 
『生産性(せいさんせい、Productivity)とは、
 経済学で生産活動に対する生産要素(労働・資本など)の寄与度、
 あるいは、資源から付加価値を産み出す際の効率の程度のことを指す。』
 
この説明を読んで、
 
「おお、なるほど!」と思うのか、
「難しい言葉が並んでいるだけで何のことかよくわからない」と思うのか、
 
さて、あなたはどちらですか?