利益が見える戦略MQ会計(かんき出版)
の著者が伝える「社長のための建設業会計講座4」
○ いまの建設業会計では、この先の手が打てない!
○ 翌期の計画を立てたいけど「未成工事支出金」が邪魔をする
○ もっとわかりやすい会計はないのですか?
○ 「工事ごとの原価をきちんと把握しなさい」と税理士から指導を受けたが
経営の実態を把握する方法として理にかなっているのでしょうか?
そんな建設業会計に疑問をお持ちの建設業の社長さん方にぜひ
お読みいただきたいサイトです。
建設会社を経営する方からメールをいただきました。
「田舎で建設業を営んでいます。
MQ会計の記事及び著書に関し、
興味深く拝見させていただいております。
建設業界の不安は、まさに記事やメルマガで仰られている通りです。
正直、目隠しして博打をしているような心境、
と言っても言い過ぎではありません。
東京でのMQ会計セミナーは建設業者にも対応しているのでしょうか?
いい機会ですので参加したいと思うのですが、
ご縁がありましたら是非よろしくお願いします。」
さっそくAさんにメールを差し上げたところ返事がきました。
「ご返信ありがとうございます。ご面倒でなければ、建設業のためにも
お時間を割いていただけると大変ありがたいです。
ご存知の通りこの業界は
1.制度会計がとっつきにくい
2.コンスタントに入るカネが少ない
3.田舎の中小企業の上層部は長年の「職人的勘とコネ」を
重視する人間が多く、数字アレルギーが多い
など、何重にも現実を阻む壁があります。(弊社もそうです)
税理士からは
・付加価値(売上-社外調達費用)を基準とした経営をしなさい
・原価の管理をしなさい
・社内労務費、社内機械使用料等を決めた上で、実行予算を組みなさい
などのアドバイスを受けております。
これらは、建設業の数字の実態を把握する方法として
理にかなっているのでしょうか?
東京のセミナー楽しみにしております。」
Aさんから掲載のご了解をいただきましたので、
私の考えや感想をお伝えしたいと思います。
Aさんの質問を整理すると
・建設業界は、この先の経営が不透明
・仕事が取れれば利益は出るし取れなければ利益は出ない(まさにバクチ)
・幹部社員がきちんと数字に向き合わない
など、この先に障害が立ちはだかっている。
このような状況で税理士から次のような指導を受けた。
(1) 付加価値を基準とした経営をする
(2) 各工事の原価管理の徹底
(3) 社内労務費、社内機械使用料等の基準額を決め実行予算を組む
私が注目したのは、Aさんが受けたアドバイスの内容です。
おそらくこの税理士の方は、Aさんの会社の業績を伸ばしたくて
アドバイスをしているはずです。
利益を増やすためにはどうすればいいのか、
真剣に考えた末の結論かもしれません。
ではMQ会計ではどのように考えればいいのでしょうか。
MQ会計では原価の捉え方、考え方が制度会計とは異なります。
○ どんな業種であれ原価の考え方は一緒である
○ そのほうが社長方にとってわかりやすいし未来を考えられる
○ 決算書で計算された利益とMQ会計で計算する利益は異なる
最初に「付加価値を基準とした経営をする」について考えてみます。
付加価値を基準にするとは、具体的に何をどうすることのなのか?
そして重要になるのが【付加価値の定義】です。
じつは、「付加価値」とはまさに「不可解」な用語です。
定義もさまざまで、実態がありません。
ですから安易に「付加価値を上げる!」などとは言えないはずなのです。
私がまだ会計を学んでいるころに
参加した勉強会の講師が次のように言いました。
「付加価値とは売上高から外部購入価格を差し引いたものである
例えば商品や原材料を仕入れる際に掛かる運賃は外部購入価格である」
「なるほど、付加価値はこうやって計算するのか!
外部購入価格をきちんと集計する仕組みが必要だな」
当時私はこのように考えました。
しかし、はじめて聞くような内容ばかり、質問ができません。
わからないところが、わからない 状態なのです。
「付加価値ってなに?」
「外部購入価格ってなんのこと?」
「付加価値を上げるとは、何をどうすることなの?」
何年か経ってMQ会計に出会い、はじめてわかりました。
「MQで考えればすべて説明がつくし、納得がいく!」
それは数学で考えるからです。
⇒ 社長のための建設業会計講座4・ある建設業の社長の悩み