次のような会社があります。
この会社の赤字を解消し
5万円の利益を出すにはどうすればいいでしょうか?
管理会計の本などに載っている問題です。
最近、上の図を見かけますが、これはけっしてMQ会計表ではありません。
この図のを使って解説しているのがこちら。
売上を3.8%アップすると1038になり、売上に比例し変動費も623に増えます。粗利は差し引き415となり、売上が増えても固定費は変わらないので利益は5になる、という理屈です。
②変動費率(原価率)を下げろ!
変動費率をたった1.5%下げるだけで利益はなんと15も増えるというまさに率で経営を語る典型です。
「変動費(率)を下げれば利益が増える」という会計の考え方そのものが、利益を増やすための発想の邪魔になります。
「利益を増やすには?」という発想のなかで誰でも思いつくのがこの固定費削減。経費を15減らせばその分利益が増えるというのは経営ではなく、数字上の話にすぎません。机上の空論です。
この3つを【悪の3原則】ということにします。
これらをもっともらしく説明したのがこちらです。
①売上をたった1%アップし、
②粗利率をたった1%上げ、
③固定費をたった0.3%カットするだけで
利益は15も増えるのです。
もっとスゴイのもあります。
① 売上をを1.5%アップし、
② 粗利率を1.5%改善して、
③ 労働分配率をたった1.5%下げるだけで、
利益は15も増えるのです。
これらはすべて「率の話」だということに気づかれたでしょうか。
「たった1%、たった1.5%改善すれば何とかなる」
率で会話をすると、なんとなくできそうな気がしてきます。
経営は【額】で考えなければなりません。
どうやって売上を1.5%アップするか!
どうやって粗利率を1.5%改善するか!!
労働分配率などは結果の話なのです。
これらの表は管理会計の発想を図にしただけにすぎません。
PQやMQはたんなるアルファベット、符号。MQ会計とはまったく異なります。
この問題は「MQ会計もどき」では解けません。
これはけっしてMQ会計ではないのです。