012.MQ会計もどきに注意!

ネットで検索すると「もどき」の定義が出てきます。

非難や批評するときにも使われているようです。

今回は「MQ会計もどき」です。 

  

>もどき(擬、抵牾、牴牾)とは、

 批判や非難などを意味する動詞「もどく」の名詞形。

 

 似せて作ること,また似せて作ったもの、まがいものなどの意。

 また非難や批評するときにも〈もどき顔〉(非難しているらしい顔つき)

 などとして使われる。擬,抵牾,牴牾などと書く。

 

 もともとは、似ている物の事を指す言葉として「もどき」という言葉が

 使われていた。「パクリ」はアイディアの盗用を意味しており、

 人まねである「もどき」と同じ意味合いで使われるようになった。

 つまり、パクリ=もどきもどきである。

  


 

MQ会計は、MG(MQ戦略ゲーム)の開発者でもある西順一郎先生により、

昭和46年から56年にかけて考案されたものです。

開発当時は、「戦略会計STRAC(ストラック)」という名称でした。

英語のストラテジー(戦略)とアカウンティング(会計)をかけ合わせた

造語です。2004年から「MQ会計」に変わりました。 

 

2009年、「利益が見える戦略MQ会計」が出版されました。

この本は当初、「利益が見える戦略会計」という題名でした。

出版社は「売れるタイトル」をつけようとします。

 

しかし著者側からすれば「戦略会計」はごくありふれたもの、

「あまりにもあたりまえすぎるタイトル」です。

本の内容を的確に表しているとは思えません。 

 

そこで、書籍名に「MQ」を追加することを最後まで主張したのが

西順一郎先生でした。そしてその結果、「MQ会計」という言葉が

一気に知れ渡るようになり、一部の会計人の間でも使われはじめました。 

 

)MQ会計、企業方程式(PQ=VQ+F+G)、

  MQ戦略ゲームは、株式会社西研究所の登録商標です。

  


MQを伝える側と実践する側

MQ会計を実践し業績アップに活用するのは会社です。

企業は、MQ会計を使う側の立場です。

 

これに対し、MQ会計を伝える立場の人たちが出てきます。

職業会計人(税理士、公認会計士)、コンサルタントなどです。

 

最近、会計事務所のホームページなどで

MQ会計を使った図表や解説を見かけます。

しかし、MQ会計の本質を理解していないまま、

明らかに間違っている説明や解説がなされているのです。

 

 ◎「PQは売上高、VQは変動費、MQは限界利益、、、」

 というように、変動損益計算書をMQ会計表に置き換えて

 説明しているにすぎない

 

◎MQ会計表の説明が損益計算書の延長になっている 

◎MQ会計表の解説を、比率を中心とした経営分析的な発想で解説している

◎要素法の説明なしに利益感度分析の話をしている

 

◎「MQ会計は考え方が簡単だが実践は難しい」

 「P、V、Q、Fの情報は容易には集められない」

 「最後は高価なソフトウェアを買わなければ現場では実践できない」

 などと、平気で言っている

 

                  ・

 

 けっきょく、何をどうしたら良いのか伝わってこない、

つまり、MQ会計の本質が活用する側に正しく伝わらないのです。

MQ会計は、開発者西順一郎先生の数々の著書を見てもわかるとおり【要素法】です。

P、V、Q、F、Gの5つの要素が企業のなかでバラバラに動きます。

その結果、会社の業績は決まるのです。

 

MQ会計に興味がある社長が、誤った説明のホームページや書籍を見て、

「なるほど、MQ会計ってわかりやすいね」と思うのか、

あるいは「なぁんだ、MQ会計ってこんなもんか」と思うのか、

いずれにしても残念なことです。

 

いまの制度会計や管理会計には【科学(数学)】がありません。 

会計の目的は【カネ勘定】、

決算書は【カネ儲け(経営)】には使えません。

  

重要なのは、この先の話です。

社長方が知りたいのは、

この先どうする、この先どうなる、です。

 

損益分岐点の出し方や経営分析の数値の意味を知りたいのではありません。

どう活用すればいいのか、経営者の目線で知りたいのです。

 

社長がMQ会計を実践する目的は、

MQ会計というツールを使って会社を良くするためです。

 

会計人、コンサルタントはMQ会計を伝える側です。

伝える側が正しい考え方、知識をもってこそ、

はじめて、社長に伝えることができるのです。 

  


 

知り合いの社長から「びっくり」するような情報をいただきました。

ある税理士が書いたMQ会計の本についてです。

さっそく私も読んでみました。

なんと、最後の章に次のようなことが書いてあったのです。

 

『MQ会計を理論から実践へ移すには、

 理屈では当たり前のことが、いざ実践しようとすると難しい』 

 

そしてシステム(コンピューターソフトウェア)の紹介、

売り込みにしか受け取れないような内容です。

この本を書いた税理士はMQ会計の本質をまったく理解していません。

 

問題はこの本を読まれた方です。 

「なーんだ、いいこと書いてある割には、

 最後は高価なシステムを買わないとMQ会計はできないのか!」 

と思ってしまうような記述がたくさん出てくるのです。

  


 

おそらく、この本を書いた税理士は、理屈だけで 

現場ではMQ会計を実践したことがないに違いありません。

 

 MQ会計は「シンプル」です。

 だから現場の社員まで使えるようになるのです。

 

ここで【はっきり】言いたことがあります。 

MQ会計を社内で実践する場合、 

けっしてMQ会計専用のシステム(コンピューターソフトウェア)などを 

導入してはいけません。

システムを入れたとたん、MQ会計の本質ではなくなってしまうからです。

 

MQ会計ではガチガチのシステムなど、絶対に入れてはいけません。 

これでは、この本を読まれた方々がMQ会計の本質を誤解してしまいます。 

 同時に、現場で本当に実践したことがないような一税理士が、 

こんなことを述べていることに、非常に憤りを感じました。 

 

近日中に、この本について 

もう一度書かなければならないと、強く思っています。

 



 メルマガをご希望の方は、こちらからご登録いただけます

 ⇒ 社長のための会計学【マトリックス通信】