014.決算書本を見比べる

書店にいくと「決算書」に関する新刊が並んでいる。

「決算書に関する本」はわかりにくいし、

とにかく面白くない!

なぜか、

じっくりと比較してみたくなり図書館へ、、、

 

「決算書」や「会計」という文字が含まれている本を検索し、

7冊を選び、もくじを開いて机に並べる。

こんなに真剣に「決算書」の本を眺めたのは何年ぶりだろうか。

「んっ!」

「えっつ!!」

スゴイ発見をした!!ような気分になった。

 

なんと、

開いたもくじは、 

7冊とも、

項目から順番から同じなのだ。 

 


会計とは何か?

貸借対照表(B/S)

損益計算書(P/L)

キャッシュフロー計算書(C/S)

決算分析(財務分析)

その他

 

たまたまなのか、

必然なのか、

決算書という本の特性なのか、

わからないが、

 

とにかく、同じなのだ。

 

B/SやP/Lを図にして説明している点も面白いように同じ。 

示し合わせたように「間接法のC/Sの解説」も載っている。

 

初版が10年以上前のものも最新刊も

表現の違いこそあるが、順番まで同じなのには驚いた。

会計そのものに大きな変更がないのだから当然と言えるのだが。

 

もう一つの共通点、

 

それは、著者が職業会計人(税理士、公認会計士)であるということ。 

日ごろから仕事で「決算書を作っている」人たちだ。

 

「専門家が書いた本だから良い本に違いない」

「著名な会計人が書いた本は売れるかもしれない」

 

という出版社の思惑も、あるのかもしれない。

  


どの本も中身が似通っている

決算書や会計用語の説明に終始している

 B/Sの左側は「資産」といい、

 「流動資産、固定資産、繰延資産にわかれて、、、」

 

私にとって「決算書本を眺める」のは、とても苦痛な作業だ。 

なぜ苦痛なのだろうか?

 

決算書を理解しているからという理由ではない。

 

眺めていて

 

全然ワクワクしない

この先読みたい!と思わない

 

会計だからしょうがないのかもしれないが、

それにしても、

 

工夫がない

面白くない!!

 

そもそも、

誰に向けて書いた本なのだろうか?

対象読者は誰なのだろうか?  

 

これまで「良い本だな」と価値を感じた本は、

「まえがき」に著者の想いや考えがまとめられている。

その先を読んでみたいという衝動にかられる。

 著者の名前や経歴、肩書はどうでもいい。

 

そこで「まえがき」を比較してみた。

本の題名とまえがきの要点をまとめたものがこちら。

 


 1.決算書の入門書

 山に登る人は地図、海を往く人には海図を頼りにするように

 会社にかかわるすべての人たちにとって、決算書は、もっとも大事な手引き書。

   読者対象は「会社にかかわるすべての人」と書かれている。

 

 2.決算書の読み方・活かし方

  本書は、決算書が読めるようになって、

 それを仕事に活かしたいと思っているビジネスパーソンのための本。

   ずばり、「ビジネスマンが対象」のようだ。

 

  3.決算書のしくみ

  決算書は何のために作成し何を意味しているのか、

 どこに着目すればいいのかを「ざっくり」と理解できる最適な書籍。

   対象は書かれていない

 

 4.会計のしくみ

  基本部分をしっかりと伝え、

 企業経営を理解するために制度会計から

 管理会計まで幅広くカバーした。

 最後は実務に使える管理会計のツールを紹介している。

   IFRSや連結会計に関する記述があり、実務家が対象

 

  5.会計の基本

  広くて深い会計業務の全体像を掴んでもらうことが目的。

 以下の人たちを読者に想定。

 ・会計に携わる人たちをはじめ、経営企画に配属された人

 ・会計に関する業務に携わっているSE、コンサルタント

 ・会計を学びたい学生

 ・会計の要点を手早く、簡単に、身につけたい人たち

 

  6.会計論

  学生・ビジネスマン・資格試験の受験者が

 財務諸表の活用法を身につけ経済社会の発展に役立つことを願う。

 

  7.決算書の読み方

  決算書の読み方がわかるようになれば、会社の業績がつかめるようになる。

 経営者なら金融機関との会話がスムーズにできる。

 幹部社員はその後の昇進におおきく影響する。

  経営者、幹部社員が対象

 


中小小規模企業の社長向けに書かれた、

「私自身」が読みたいと思うような「決算書・会計本」は、

なかなか見あたらない。

 

おそらく、私が想像するに、

出版社の意向によるものではないか。

 

ターゲットを特定の層に絞り込むよりも、

どの層にも幅広く受入てもらえる内容のほうが、

販売部数が増える。

 

だから、どの本も似たり寄ったりの内容になってしまう。

 

書き手は、きちんと定義づけをしたうえで

読者に伝えるべきだと思うし、

同様に、

社長たち読み手も、意識しなければならないと思う。

 

大企業の決算書を例に、見方や分析事例を説明されても、

私にはピンと来ない。

 

詳しい会計の中身や会計用語の解説よりも、

「自社の決算書」をどのように解釈し、

どう活用していけばいいのか、

もし私が読者だったら、そのほうが興味がある。

 

では、どんなときに

 

社長は決算書に対して真剣に向き合うのだろうか?

決算書や会計を勉強したい、

という気持ちが優先するのはどんなときなのだろうか?

 

「決算書が読める」ってどういうこと?

「わかる」ってどういう状態になったとき?

「活用する」って具体的には? 

 

 ⇒ 決算書が読めるって、どういう状態のことですか?

 



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