利益が見える戦略MQ会計(かんき出版)
の著者が伝える「戦略MQ会計講座」
戦略会計STRAC(ストラック)は、西順一郎先生がソニー在籍のときに開発したもので、戦略(ストラテジイ)と会計(アカウンティング)をかけ合わせた造語てす。こんなスゴイものは、松下にも東芝にも教えたくない、という感じで、しばらくは極秘だったと聞きました。
ソニーの本社ビルに記者を集めて発表(プレスリリース)したのが昭和51年2月、MG(当時の名称はマネジメントゲーム)がこの世に誕生した瞬間です。正式に商品として発売されたのは同年の4月でしたが、このときはまだ戦略会計STRACは組み込まれていませんでした。
遅れること2カ月、中小企業診断士の全国大会が岐阜で開催されたときにSTRACの全貌が公開され、そして正式にMGに組み込まれて世に出ることになるのです。
・「マネジメントゲームMG」「戦略会計」「STRAC」はマネジメントカレッジ㈱
の登録商標です。
『会計はなぜマトリックスがいいのか?』 (税務経理協会)
-目からウロコ、社長のための新会計学-
西順一郎・宇野寛=著
A5判 並製 220頁 (2005年8月初版)
注)この書籍は現在販売していません
西順一郎先生との最初の共著『会計はなぜマトリックスがいいのか?』(税務経理協会)の12ページ、西先生の文章に次のような記述がある。
05 戦略会計STRACの構造
戦略会計STRACは、はじめ「経営分析」の知識から作り始めたので、上の図のような形をしていた。
ところが、1980年。この年は、シャープから「PC-1211」という筆入れ大のポケットコンピューターが出て、もう一つ、ソード社から「PIPS」(Personal Information Processing System)というワープロ感覚のデータベース言語(ソフト)が出た。この二つは、十何年たっても少しも古くならない二大発明であるが、このポケコンを買ったお蔭で、上記のSTRACの表記方法を一部手直しするハメになった(感謝している)。
戦略会計の要素をポケコンに入れてプログラムしてみると、どうしても「vPQ」という箇所を通るときにミスが出る。そこであわてて研究してみると、そこのところの理論にバグがあることが判明した。(1981年8月28日発見)
西先生はソニーで第1号の中小企業診断士です。本文にも書かれているように開発当初は「経営分析の知識、率」が影響していたようです。現在はSTRACからMQ会計に名称を変え、“額”になっています。
定期的に開催している「戦略MQ会計セミナー」に参加された方から、どきどき言われます。「MQ会計って会計じゃないですよね、会計ってついてると身構えてしまいます。」
たしかに会計の要素は多分に含まれています。しかし、ただの会計ではありません。会計の領域を超えた【数学】です。数学といっても中学1年程度、けっして難しいものではありません。だから現場の社員でも十分に使えます。
ところが制度会計や税務会計、管理会計までもが【算数】です。決算書の読み方を学んでも、決算書をいくら分析しても、変動費や固定費に分解して損益分岐点分析をしたところですぐに行き詰ってしまうのはそのためです。算数(会計)と数学(MQ会計)の差は、とてつもなく大きいのです。
ときおり、社長たちにとって迷惑な人たち、もしかしたらミスリードをしかねない人たちが現れます。MQ会計の本を読んだだけで、MG(MQ戦略ゲーム)を一度やっただけで、あるいは一度も経験なしに、MQ会計を「算数(会計)レベル」で語り出す税理士、中小企業診断士、経営コンサルタントです。
MQ会計の本を読んだだけでわかった気になってしまうのは、専門用語はいっさい使わずに現場の社員でもわかるようシンプルでわかりやすい構造をしているからです。変動損益計算書や未来会計図表、管理会計(CVP分析)とは根本的に異なります。本質はもっと奥が深くそれでいて簡単な【数学】、経営には数学も必要です。