Vol.569 最終回・「利益が見える戦略MQ会計」をどう読み解くか


MQ会計に出会い真剣に研究をはじめたのが24年前、

当初の思い(原点)に立ち返ってみようと、

「利益が見える戦略MQ会計(かんき出版)」を最初から読み直してみた。

初版は2009年12月、今年で15年が経過した。

この本は、当時私がやっていた「MQ会計基礎講座」がもとになっている。

なぜこの本が出版されるに至ったのか、

この本で何を言いたかったのか、

15年が経過した今だから伝えたいことなど連載してみたい。


最終回の第5回は「“利益が見える戦略MQ会計”をどう読み解くか」がテーマ。

 

読み方には2通りある。

「既知(きち)の読み方」と「未知(みち)の読み方」。

 

この「既知の読み方」と「未知の読み方」は、

外山滋比古(とやま しげひこ、1923年-2020年)さんが

著書の中で書いている自身の考えである。

 

『「読み」の整理学』(ちくま文庫)2007年10月初版

 

最近、『新版「読み」の整理学』が出版された。

「はじめに」に次のように書いてある。

 

 

これまで読書の方法を論じ、教えるものはかならずしも少なくないけれども、

 既知の読み方と未知の読み方を峻別し、本当に読むとはいかなることかを

 つまびらかにしたものはなかったように思われる。

 

この本は、これまでにない考えにもとづいており、

 はっきりしなかったところに目を向けた読解についての考察である。

 これによってものの読み方に関する考えが変るであろうことを期待する。

 

 

本文から“ほんの一部”を紹介したい。

 

 

われわれが、普通、読んだ・わかった、といっているときの読み方は、

 低次元の読み方である。

 これではせいぜいありふれた身近な知識を得ることが出来るだけ。

 本当に学ぶべき、知る価値の内容であっても、読み手の経験しない、つまり、

 知らないことがらについての文章は、さきの低次元読みでは歯が立たない、

 ということがわかったのである。

 

つまり、わかることは読めるが、わからないことは読めない、ということである。

 学校などが教える読む技術は、ほとんど前者で知っていることをあらわす文章を

 読むことに終始していて、未知を読むことにはほとんど踏み込んでいない。

 

われわれは、既知を読んで、ものが読めると思っているけれども、

 それは未知を読むための準備段階であって本当に読んでいるとは言えない。

 

未知を読むことは高度の知性、想像力のはたらきによるものであるから、

 ひとみな等しく、そういう読み方が出来る保証はまったくないといってよい。

 本を読めども本は読めない、という人間がいかに多いか。

 この本は、未知を読む読書の方法を考えようとするものである。

 

(家電製品やパソコンなどの)マニュアルを読むには、

 小説を読むのと違った頭のはたらきが必要である。

 

未知のこと、ほぼ完全に未経験なことがらを述べた文章というものは、

 読み手にとって暗号のようなものである。ざっと一読してわかるように考えたら

 大間違いである。想像力をはたらかせ、筋道を見つけ、意味を判断するという

 高度な知的作業が求められる。

 

・・・百遍くりかえしてもわからないものはわからない、ということが少なくない。

 ましてや、自分の教養、知識をハナにかけて、読んでもわからないと、

 文章が悪いからだと言うのは思い上がりである。

 

              ・

 

研修好きであちこちのセミナーに参加する人のことを

“セミナージプシー”というらしい。

「参加したというだけで満足し行動が伴わない人たち」のことだそうだ。

 

講義を聞いただけで、研修に参加しただけでわかったつもりになる。

 

ところが、

 

頭ではわかっていてもいざやってみるとできない。

“わかる”と“できる”の間には高い壁が存在する。

 

未知の分野は一度聞いただけで、

一度読んだからといって、わかるわけがない。

一般的な雑学程度の知識を得るにはいいかもしれない。

 

が、未知の分野を学び自身でモノにしたいのであれば、

読解力が必要になる。

 

「読解力を身につける」とは、たんに文章を読む力のことではなく

未知の文章を読み解き、(自転車にはじめて乗れたときのように)

できるようになるまでくりかえすこと。

“独学できる力を養う”と言い換えることができる。

真の読解力を養っていかなければ時間のムダ、

“セミナージプシー”になってしまうのだ。

 

              ・

 

私がMG研修の冒頭で毎回伝えていることがある。

MGは「意識が変わる、また気づく、そして発見する」かもしれない2日間。

会社のため、ではなく「まずは自分の力をつける!」。

どうするかは本人次第。

 

MGで期数を積んだ人たちは、MGに参加する前と今の状態で

 

“自身の知的レベル”がどれだけ上がったか、

 

意識してみてほしい。

 

“自身の知的レベルを上げる”とはどういうことか、

 

から考えてほしい。

 

研修に参加し聞いただけで知的レベルは向上しない。

参加したことがきっかけとなり、自身で習得しようという思いがなければ

知的レベルは上がらない。

本人がその気になってはじめて、学んだことが身につくのだ。

 

ワルツの辛さは目的地に行くための単なる通過点にすぎない。

ワルツが早くなったから、青チップで勝てるようになったから、、、

 

ここから脱出して“未来の景色”を想像してみてほしい。

 

MGやMQをきっかけに【自分の】知的レベルを上げ、

 

その結果、

 

仕事に反映し、

会社の生産性や業績に影響を与え、

自身の思考力、数学力、応用力(=置き換え力)、想像(創造)力を高め、

 

そして行動が変わることを期待して、

今回のシリーズを終わりにしようと思う。

 

最後に、

https://www.mxpro.jp/vol-569-1/

 

「第1回・利益が見える戦略MQ会計」から読みたい方は、

https://www.mxpro.jp/vol-565/

 

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【発行責任者】宇野 寛
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