Vol.505 日本でいちばん大きな会社の社長の話

ある、大きな会社の話。
 
この会社の社長は、思考力も応用力も想像力も欠けている。
10年先のビジョンを、
自身のことばで社員に伝えることができないばかりでなく、
個人の趣味まで会社の経費にしようとする。
 
日ごろから社長の動向を見ている社員たちは
この先、この会社にいて、
ほんとうに大丈夫なのだろうか?
 
子どもにきちんとした教育を受けさせられるのだろうか
住宅のローンが返せるのだろうか
定年まで働いても年金がもらえるのだろうか
社員にとって不安は高まるばかり。
 
社長だけにとどまらず、補佐しなければならない役員も同レベルだ。
「社長、これはオカシイ!」という役員はいないのだろうか。
退職金をもらいたいがために、
社長の機嫌を損ねてはならないとでも思っているのだろうか。
 
社長の答弁にあわせて、
役員会の議事録を平気で作り替える。
社員に罪をなすりつける。
 
損得勘定で考える人たちが経営層に数人いるだけで、
その会社は腐っていく。
 
             ・ 
 
この社長は、肝心なときに意思決定をしない。
もしかしたらできないのかもしれない。
自分のための意思決定はさっさとやるのに、、、
 
いざというときの「覚悟」が、まったくできていない。
 
そんな会社は、どんなに大きくても
社員、お客からの信頼をなくすのは目に見えている。
 
なぜなのか!
 
想像力の欠如だ。
 
想像力がないということは、
考える力(思考力)がない、
未来を考えることができない、ということ。
 
会社の危機を「イメージできない」から、当然、策も考えつかない。
規則に当てはめることはできても
応用など、とうていできるはずはない。
それどころか、規則さえも自分の都合で変えてしまう。
 
場当たり的な対応に社員の不安は増すばかり。
 
社員は社長に不満があっても
「社長、別の人に変わってください」とは言えない。
 
ほんとに嫌なら会社を辞めるしかない。
しかし、「私は」ほかに行くところがない。
勤め先がない。
辞めて別の会社に行ける人はほんの一握り。
不平や不満を言いながらも、定年までいるしかない。
 
 不安要素は、自身が正しい(と思う)行動を起こすうえでマイナスになる。
危機感は、自身が正しい(と思う)行動を起こすための原動力になるのだ。
 
社会のために、社員のために、
ワクワクするようなビジョンや想いを
きちんと伝えられない社長が経営するこの会社は、
 
はたしてこの先、
どうなるのだろうか。
 

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【発行元】株式会社アイティーエス 
【発行責任者】宇野 寛
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