■前回のメルマガ『続)MQ会計もどき・Sさんからのメール』に、
ある女性税理士の方からメールをいただきました。
社長方も参考に、ぜひご覧ください。
●今回のメルマガ「続)MQ会計もどき・Sさんからのメール」を読んで、
Sさんと同じような経験をしました。
感想を書かずにはいられなくなり、メールを差し上げます。
私は、税理士試験を受験する前に
経理学校で簿記会計を教えていた経験があります。
これから資格を取得しようとする人たち、
試験に合格することが目的の生徒さんたちです。
Sさんの感想にもあったように、
まさに勉強のための会計を教えていたわけです。
・
税理士を目指そうと決意したのは、手に職をつけたいと思ったからです。
「税理士になって何かをしたい!」というような特別な想いはありません。
それなりの年数がかかりましたが無事合格。
もともと簿記会計は好きな方でしたので、
この知識が社長さん方のお役に立てば、という程度です。
開業後は幸運にも関与先企業に恵まれ、さあやるぞ!
もちろん専門は税務会計です。
途中、管理会計にも興味をもつようになり、専門的に学びはじめました。
ですからMQ会計に出会うまでは、それなりに分析の自信もありました。
●ある時期から疑問をもちはじめます。
相手は経営者、私は経営の素人。
税理士の試験科目に経営はありません。
経営については興味もなかったし、
真剣に学ぼうとしたこともありませんでした。
経理担当者と話をする分にはなんの問題もないのですが、
社長とお会いするときは
・今日は何を話そう? という不安感
・何か役に立つような話をしなければならない
・でも社長はその業界のプロ、
知ったかぶりをしたところで恥をかくだけ
社長と話をするのが、だんだんと苦痛になっていきました。
世間話はもっとも苦手です。
無難なところで、やっぱり数字や分析の話になってしまうのです。
・決算書をわかりやすく解説するにはどうする?
・棒グラフや円グラフを使ってわかりやすい資料を作る
・数字だけの帳表よりはましだろう!
●あるとき、Sさんと同じように「未来XX図」の研修に参加しました。
決算書をどう商品化していくのか、
どうやって事務所のブランドを作り上げていくのか、
解説のしかたや見せるための手法など、所詮テクニックにすぎません。
決算書に疑問をもちはじめていたので、導入する気にはなれませんでした。
「このままでは、私自身満足を得られないし社長方にも迷惑がかかる」
「この先、私はどうすればいいのだろう?」
悩み考える日々が続きました。
そんなとき、定期的に訪問しているある会社の社長から聞かれます。
「XXさんはどうして税理士になったのですか?」
そして会社を創業した理由を話してくれました。
そうか! 世の中の多くの社長方は、想いを持って経営をされている。
しかも、時間をかけて、お金をかけて、自分よりもまず社員を、
社員の家族をと、命がけで。
決算書の解説を聞かされる社長方は、その間は貴重な時間です。
懸命に経営されている方々に、税理士は「税務会計」を通して
何ができるのでしょうか。
何をすべきなのでしょうか。
「そうだ、社長方も同じように悩んでいるに違いない」
売上のことだったり、
資金繰りのことだったり、
社員教育のことだったり、
新製品の開発のことだったり、
つまり社長が考えているのは常に「この先の未来のことなんだ!」
●これまで、良いと思って手当たり次第に参加していたセミナーを、
社長方と一緒になって考えられる(専門的でない)ものに絞り込みました。
MQ会計というものが世の中にあることを知り、
参加したのがMQ会計を開発された西順一郎先生のMG研修でした。
その場で『利益が見える戦略MQ会計(かんき出版)』を購入し
読み始めました。
これを書いた宇野寛さんという人は何者なのだろう???
興味が湧いて、メルマガも登録しました。
ずいぶん辛口だな、税理士の悪口も平気で言うし、
税理士を敵に回している感じもしました。
たしかに、、、言っていることは当たっているなぁ
納得できる部分もたくさんあります。
メルマガのバックナンバーも時間を忘れて読みました。
是非、宇野さんに会って直接話しを聴きたいと思い
宇野さんのセミナーに参加しました。
そして、感じたことは、、、
■多くの税理士の方々は、
社長のために決算書を経営に役立ててもらおうと考え、
セミナーや研修会にも積極的に参加します。
月次決算、決算分析、決算報告会、経営診断、
そして経営アドバイス。
この状況は、私が会計事務所に勤めていた30年以上前から
変わりません。
考えてみると、これは提供する側(税理士)の一方的な発想であって、
とくに、これから会社を興して経営者になろうとしている人たちにとって
「ほんとうにこれでいいのか!」と思ってしまいます。
会計(決算書)の枠の中だけで
企業の利益や業績を測定し、分析するような手法や考え方が、
これから伸びようとしている経営者の芽を摘んでしまいます。
■彼女のメールの最後には、こう書いてありました。
社長方が税理士に求めているものは、
決算書の分析や解説でも、
売上を上げるための手法でも、
経営のアドバイスでもない。
税理士が伝えられるものは、利益を増やすための「正しい考え方」。
正しい考え方があって、はじめて手法が役に立つのではないのか。
ホンモノのMQ会計に触れてみて(MQもどきではなく)、
気が付きました。
MQ会計の本質を社長と一緒になって学び、
一緒に実践してこそ、業績アップに貢献できる、と。
■税理士が社長方に真剣に向き合うのあれば、
指導する立場(先生の立場)から、経営の現場へと入り込み、
社長と一緒になって、取り組んでいかなければなりません。
だからこそ、けっして難しくはなく、専門用語も使わずに、
それでいて経営の本質、収益構造の本質までたどり着くことができる
ホンモノのMQ会計を学んでほしいと思います。
・決算書を経営に活用しなければ、、、
・社長方に指導してあげなければ、、、
・きれいなグラフにして報告してあげなければ、、、
・わかりやすい図表で説明してあげなければ、、、
・きちんと解説してあげなければ、、、
という義務感や思い込み、そしてテクニックばかりの追求、
いったい、いつ、誰が言い出し、やりはじめたのでしょうか。
この根本的な部分、問題を、考え直す時期に来ていると思います。
※)『MQ会計』は、これを考案開発された西順一郎先生の会社、
株式会社西研究所の登録商標です。
P、V、M、Q、PQ、VQ、MQ、F、G は
西順一郎先生の著作物です。