「B/S感覚」というテーマで今回が3回目です。
決算書は、ある時点や期間の結果を切りとった「静止画」。
決算書を見やすい帳表やグラフに加工したとしても、
中身は静止画の情報にすぎない。
止まっているので隅々まで観察できる。
隅々まで見えるので、細部の余計なところも目につきやすい。
静止画分析の代表例が「経費削減」。
経費を減らした分、そのまま利益が増えると思ってしまうのだ。
P/Lから作った変動損益計算書(以降「変動P/L」)も静止画像。
P/Lから作ったMQ会計表も、
たしかにわかりやすくはなるが、そのままでは静止画だ。
1.Pアップ
2.Vダウン
3.Qアップ
4.Fダウン
静止画像のMQ会計表を
「会計の感覚で捉えてしまう罠」である。
ここで発想や思考が止まってはもったいない。
P/Lも変動P/Lも動画には変換できない、
が、
MQ会計表は動画に変換することができる。
ではどうやって動画に変換するのか!
それがこれから述べる
「会社盤に置き換えて考える訓練」である。
・
当然だが、
決算書はおカネに換算し
すべて「円」で作る報告書だ。
そうすると、
モノの動きがわかりにくくなる。
その事例が「在庫」である。
会計では次のように分類される。
1.商品
2.製品
3.仕掛品(仕掛工事・仕掛物件)
4.原材料
決算書の順番は「カネになる順番」だ。
MG研修で使う会社盤は左側から
4.原材料
3.仕掛品
2.製品・商品
静止画で捉えるB/Sは、
決算日の在庫が計上される。
しかし、期中の動きはわからない。
前期と比較して「増減(差額)」はわかる。
が、その比較方法が問題。
「棚卸回転率が悪化しています
とくに仕掛品が大幅に増加しています」
静止画では、
分析値に目がいってしまう。
総資本経常利益率(ROA)を良くするには
1.経常利益率をあげる
2.総資本回転率をあげる
のような、
静止画分析がまかり通ることになる。
「けっきょく、この先どうすればいいんだ!!」
これが静止画分析の限界。
・
1単位あたり大きい物件を扱っている
不動産、建設、広告代理店、冠婚葬祭、
そして製造業などであっても、
決算書からはけっして見えない製品や仕掛品の動きを、
会社盤に置き換えて考えることができる。
たとえば建設業、
1.前期から繰り越した物件の情報
2.当期に受注した物件の情報
3.当期に完成した物件の情報
4.翌期に繰り越す物件の情報
これらを4つの分類(カタマリ)で捉える。
それぞれの物件情報にはQとMQが含まれる。
仕掛品や仕掛工事のなかに将来のMQがいくらあるのか!
現実の会社内での
「これから生まれるであろうMQの動き」
が見えてくる。
まさにMG研修で学ぶ
[前繰]→[当期IN]→[当期OUT]→[次繰]
[イン・アウト・ザン]、
会計恒等式で捉える訓練である。
マトリックス会計を使うので「B/S感覚」そのままだ。
しかしこれだけでは不十分。
◎前期から繰り越した物件のうち当期に完成したMQやQ
◎当期に受注した物件で当期に完成したMQやQ
◎当期に受注した物件で翌期以降に繰り越すMQやQ
これらの情報、そしてこの感覚そのものが
この先の経営を考えるうえで手放せなくなる。
材料仕入は未来のMQの準備
仕掛品、仕掛工事はもうすぐMQになるもの
製品や商品は今すぐMQになるもの
製品在庫が多い、仕掛品が多いという分析目線、会計目線ではなく
必要なMQを稼ぎ出すうえでこれらの在庫をどうしていくのか!
人員配置、設備投資、キャッシュ、借入金など
B/S感覚そのものを味わえるのもMG研修の醍醐味である。
・
「会社盤でMQ会計を感じる!」
利益を増やすための世のなかの常識は、
・売上を上げる
・原価を下げる
・経費削減
これでは利益は出ない!
ということをMG研修で実感してみてください。
売上をあげる、、? どうやって!
経費削減?、、、 やってみればわかる!
原価を落とすと、、、 MQに与える影響は、
MQ会計は、、じつは、動画だったのです。
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戦略MQ会計・DC・マトリックス会計
社長のための会計学 マトリックス通信
【発行元】株式会社アイティーエス
【発行責任者】宇野 寛
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