016. マトリックス、夢の会計 -社長のための会計学-

今回掲載の記事は、

 メルマガ『社長のための会計学【マトリックス通信】』Vol.547 からの転載です。


◆会計はカネ勘定、経営はカネ儲け

「会計は単なるカネ勘定であって

 カネ儲け(経営)ではありません。

 社長にとって興味があるのはカネ儲け(経営)であって

 カネ勘定(会計)ではありません。」

 

上記は慶應義塾大学教授の友岡賛(ともおかすすむ)さんの本、

『なぜ「会計」本が売れているのか?』に出てくる一節です。

この本に出会ったとき、「これだ!」と叫びそうになりました。

「利益」は会計用語です。

収益から費用を差し引いた差額が会計における利益の定義です。

利益を求めるためには売上がいくらだったのか、

費用がいくらだったのかを記録し集計しなければなりません。

 

「ここで注意しなければならないのは、

 この、売上を増やす、や、費用を減らす、は

 会計の話ではない、ということです。

 売上を増やしたり、費用を減らしたりするのは経営の話です。

 会計の話はなにか、と言えば、それは、

 売上はいくらかを計算したり、費用はいくらかを計算したりすることです。

 会計は単なるカネ勘定、ということなのです。」

 

『なぜ「会計」本が売れているのか?』(税務経理協会)より

 

           ・

 

今年出版予定の原稿、

 

マトリックス、夢の会計

-社長のための会計学-

 

「第1章・決算書の正体」の最初の部分です。

 

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昨年7月から原稿を書きはじめました。

 

第2章・社長のためのキャッシュフロー

第3章・マトリックス会計から会計の構造を考える

第4章・利益が見えるMQ会計

第5章・実践!MQ会計

第6章・社長のための会計学

第7章・経営分析の疑問

 

終わってみると400ページにもなりました。

 

20年以上にわたって「MQ会計とマトリックス会計」を、

経営の現場で活用するための研究を続けてきて、

「いつか本としてまとめたい」という願望が、

“あるきっかけ”から「強い思い」に変わりました。

 

その“きっかけ”となったのはFさんです。

Fさんは商工会の「経営指導員」、

2019年2月広島で開催したMQ会計セミナーに参加してきたのが

彼との出会いでした。

 

今の会計や決算書、そして管理会計を使った企業への経営指導のあり方に

「深い(強い)疑問」を抱いていました。

疑念と言ったほうがいいかもしれません。

 

経営指導員は、地元の企業に対して文字通り“経営の指導”を行います。

そのために“指導のしかた”も含め、さまざまな研修会に参加します。

 

「このような指導のやり方で、本当に会社は良くなるのだろうか?」

「決算書を分析し解説して、その先企業はどうなるのだろうか?」

 

彼がMQ会計セミナーに参加したのは、そんなときでした。

 

「決算書なんかで企業の指導などできるはずがない!」

「指導員は補助金の申請、代書屋だ」

「方向性を決めている国の役人は現場を見ようとしない」

「表面(テクニック)だけで本質に迫ろうとしない」

 

上からの方針に従って指導しても“成果”に至らず、

企業の社長たちを相手に“むなしさ”すら感じると言います。

 

彼と話していると、

 

「このままではいけない」

「考え方から変えないとならない」

 

という思い、情熱が伝わってきます。

 

そのとおりだ!

 

会計や決算書は“経営に使える部分”と“使ってはいけない部分”を

明確にしなければなりません。

 

私の中でくすぶっていた“大切な部分”を目覚めさせてくれたのです。

 

           ・

 

はたして出版社が“この本”を出してくれるか、です。

現在、出版社の“審査まち”です。

 

原稿では、会計や決算書をこの先の経営に活用していくうえでの

“考え方”を提示していますが、

税理士やコンサルタントへの“辛口”がところどころに出てきます。

 

今回は、この“辛口”の部分を切り取って紹介します。

ここだけ読めば“批判本”のように見えますが、

けっして“批判本”ではありません。

https://www.mxpro.jp/016-book

 

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本文では「マトリックス会計とMQ会計」について、

かなり“深い部分”まで言及しています。

 

が、

 

もしかしたら“まぼろしの本”になるかもしれません。

かりにそうなったとしても、

この先の経過をメルマガ、社長のための会計学【マトリックス通信】

紹介していく予定です。

 


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